棒に振る[語句情報] » 棒に振る

「棒に振る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

棒に振るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
世相」より 著者:織田作之助
十銭芸者」の原稿で、主人公の淪落する女に、その女の魅力に惹きずられながら、一生を棒に振る男を配したのも、少しはこの時の経験が与っているのだろうか。けれど、私はそ....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
所へ現れて――畜生っ、俺は、じっとしておれなくなったぞ、百石どころか、元も子も、棒に振るか、振らんか――畜生) 右源太は、脣を噛みながら、濠に沿うて歩き出した....
『吾輩は猫である』下篇自序」より 著者:夏目漱石
の様にぐるぐる廻転している。僅《わず》か数カ月のうちに往生するのも出来る。月給を棒に振るものも出来る。暮も過ぎ正月も過ぎ、花も散って、また若葉の時節となった。是....
乳色の靄」より 著者:葉山嘉樹
のであった。その人は、社会的に尊敬され、家庭的に幸福でありながら、他の人の一生を棒に振ることも出来た。彼には三百六十五日の生活がある! 彼には、三百六十五日の死....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
き消してしまった。 「もう一遍手を叩いて見ろ」とスクルージは云った。「君は地位を棒に振ることに依って、聖降誕祭を祝うだろうよ。貴方は中々大した雄弁家でいらっしゃ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が生え過ぎているし、半七は追手のかかる身でないが、女のために身上《しんしょう》を棒に振るほどの粋人でないだけが恨みだが、半七よりもいくらか若くて、武骨で、ウブな....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
消えてしまうものである。しかし往々邪魔が入り、しかも恋心が消えない時には、一生を棒に振るような、悲劇の主人公となるものである。 ある日主計と奥方とは、ひそひそ....
俗臭」より 著者:織田作之助
とは、むしろ次の彼の言にあらわれたと見る可きだ。「賀来子は何の欠点もないのに一生棒に振るのや。如何いする?」暗に手切れ金のことをほのめかしたのだ。それ位は権右衛....