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「棒杭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

棒杭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
深夜の市長」より 著者:海野十三
ると、なんのことだ何処に行ったか、影も形も見えなくなっていたというんだ」 「焼け棒杭かなんかが、人間の片腕に見えたのでしょうか」 「そういう解釈もあるねえ、何し....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
きて、一歩力を入れてのぼると、二歩ズルズルと滑りおちるという風だった。それを傍の棒杭に掴ってやっと身体を支え、ハアハア息を切るのだった。気がついてあたりを見廻わ....
地球盗難」より 著者:海野十三
。今はたった一人の雇人がいるばかりじゃ。岩蔵といってナ、右脚がない男じゃ。いつも棒杭をその股に結びつけて、杖もつかずにヒョックリヒョックリと歩いているがのう。外....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
。 留守をまもる兵士のしわざだ。 彼等は、捲きあげて水をつる井戸の釣瓶や塀の棒杭や、茶碗や、茶壺を持ち出した。しまいに残ったのは、持って行く訳に行かない兵営....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
られ大正二年頃は所謂池田の新開地と称し寂寥たる原野と化し、該井戸側は腐朽し周囲は棒杭を立て針金を引廻し僅に崩壊を防ぎ、大正三年十月|浚渫の際まで其のまゝに放置せ....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
絶望をしなければならなかった。 奥穂高といっても、岩石の逼迫した凸った地点に、棒杭一本を打ち込んであるだけのことであった。 そこから、今夜の野営地と決めた谷....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
口の五合目の室から六合七合と登った。そして七合五勺の室へ来て、海抜三千二百米と、棒杭に註されたのを見たとき、私は身の丈が急に高くなったような気がした。何故ならば....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
て、苦笑して、 「白痴が。今にはじめぬ事じゃが、まずこれが衣類ともせい……どこの棒杭がこれを着るよ。余りの事ゆえ尋ねるが、おのれとても、氏子の一人じゃ、こう訊く....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
もう少し隧道の方へ行くと、あすこに、路の真中に、縦に掛けたちょっとした橋がある。棒杭のように欄干がついて、――あれを横切って、山の方から浜田へ流れて出る小川を見....
化鳥」より 著者:泉鏡花
になって、畏って、猿が居る。 この猿は、誰が持主というのでもない。細引の麻縄で棒杭に結えつけてあるので、あの、湿地茸が、腰弁当の握飯を半分|与ったり、坊ちゃん....
競漕」より 著者:久米正雄
行く。船頭らは「土左衛門だ。土左衛門だ」と叫んでいるのであった。皆はこの時只黒い棒杭のような浮游物を瞥見した。やがてこんな時に迷信を持ちたがる久野が「今日は勝っ....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
んな。おやおや、弁天様のお宮の屋根が蘆の穂のスレスレに隠れて、あの松林よりも澪の棒杭の方が高く見えますな。おや川尻は、さすがに浪が荒い、上総の山の頂きを見せつ隠....
雪柳」より 著者:泉鏡花
れない。 船頭もまた臆病すぎる。江戸児だろうに、溺れた女とも、身投とも弁えず、棒杭のようにかたくなって、ただ、しい、しい、静にとばかり。おのおの青くなって、息....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
鉄橋が架ってある。長さ一町足らずで非常に立派な釣橋であって、下は余程早川ですから棒杭を立てる訳に行かんようです。もっともここまで来るまでは近道と遠道とがあって、....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
けるサッサッササ……という音でわかった。線路近くのエゾ松林に、防雪林などと書いた棒杭が見出された。その林の青黒い枝々はすでにかなりの雪を積らせていて、飛白の布地....