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「棒鼻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

棒鼻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ったが、いぶかしいのは赤い提灯そのものです。焼けて骨ばかりになったのが、もう一つ棒鼻の先に掛かっているところを見ると、出先でその新しい方を借りてでも来たらしく思....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
横たわった。武士は刀を納めて再び駕籠に乗ろうとするところへ、半七は駈け寄ってその棒鼻をさえぎった。 「しばらくお待ちくださいまし。わたくしは町方の者でございます....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
い込んでおりますのでございます。 その、大蒜屋敷の雁股へ掛かります、この街道、棒鼻の辻に、巌穴のような窪地に引っ込んで、石松という猟師が、小児だくさんで籠もっ....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
覚悟をしろ、親父が厳ましくって家にいたって駄目だから、やるだけの事をやっちまう、棒鼻あたりへ待伏せて鉄砲で打ってしまうから然う思いなせえ」 竹「まアお待ちなさい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ん》の紋は抱茗荷《だきみょうが》。 二つの駕籠が雪の昌平橋を無事に渡りきると、棒鼻《ぼうばな》の向きが少し変って、前のは講武所の方へ向き、同時に駕籠の中から何....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
みませんが、火を一つお貸しなすって下さいまし」 「さあ、どうぞ」 この旅人は、棒鼻の小田原提灯の中の火が所望と見えて、懐ろから煙草入を出すと、その面《かお》を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の橋を渡って、矢作から西矢作の松原へかかった時分に、不意に、お角の駕籠《かご》の棒鼻がおさえられてしまいました。 「その駕籠、少々待たっしゃれ」 女長兵衛の格....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
籠屋には置捨てられたけれども、駕籠そのものはどちらも異状がないのみならず、駕籠の棒鼻に吊《つる》された提灯《ちょうちん》までが安全無事で、駕籠中の蝋燭の光も安全....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れない声でありましたから、さては向うから進んで来た侍の何者かによって、その駕籠の棒鼻が押えられたものだろうと兵馬は、またそこに止まってなりゆきを見ていました。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
られた通りに、両替の馬のあとを追いました。 ところが、いよいよ心配無用、裏道の棒鼻まで廻る必要はなし、早くも町の真中で、ぱったりとその馬に出くわしてしまいまし....
丹下左膳」より 著者:林不忘
た! やるぜ!」と合図の声。 五つの駕籠がギイときしんで地を離れたかと思うと、棒鼻《ぼうはな》をそろえて――。 エイ、ハアッ! ハラ、ヨウッ! 見るまに....
北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
り早く北斎は駕籠先へ飛んで行ったが、 「これ、駕籠止めい駕籠止めい!」 グイと棒鼻を突き返した。 「狼藉者!」 と駕籠|側にいた、二人の武士、狩野家の弟子は....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
であろうか。 二人は事実旅していた。 しかしこのころ二人の者は、見付の駅路の棒鼻のあたりを、話しながら先へ進んでいた。 「お許婚の園子様を、紋也様には京から....
南国太平記」より 著者:直木三十五
抜いてもよかった。七人の侍の駕は、五梃の駕へ追いつくと 「兄弟、頼むっ」 と、棒鼻が叫んだ。 「おおっ――手を握ったか」 後棒が、振向いた。 「その辺――」....
おせん」より 著者:邦枝完二
をひねって歩きねえ」 「おっと、御念には及ばねえ。お上が許しておくんなさりゃァ、棒鼻へ、笠森おせん御用駕籠とでも、札を建てて行きてえくらいだ」 いうまでもなく....