棕櫚竹[語句情報] »
棕櫚竹
「棕櫚竹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
棕櫚竹の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宝石の序曲」より 著者:松本泰
のち、自分は音も立てずに暗い梯子の下に消えてしまった。 広間へ戻った波瑠子は、
棕櫚竹《しゅろちく》の鉢植えの陰になっているテーブルのほうへ行った。そこには頬骨....
「旅愁」より 著者:横光利一
思うと、自然に謙遜になるのだった。
「あれからあなた、御病気はなさらなくって?」
棕櫚竹の葉のなだれかかった窓際で、千鶴子は矢代に訊ねた。
「まだ一向にしそうもな....
「月かげ」より 著者:豊島与志雄
白い天井、白い壁、白い卓子の例、天井から下ってる明るい電燈、勘定場の両側の大きな
棕櫚竹、そんなもの凡てが夜更けの空気にしっとりと落着いて、そして私もその中に落着....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
話の便宜があることが、井野老人の注意を惹いたらしかった。 酒場の土間の方には、
棕櫚竹の鉢植が幾つも並んでいたが、それも井野老人の注意を惹いたらしかった。 「棕....
「非情の愛」より 著者:豊島与志雄
いたし、波多野も黙って聞いた。それから「五郎」で、私は二人を紹介した。 土間の
棕櫚竹の鉢植えのそばで、つっ立ったまま、彼等は、互いにじっと見合った。時間にして....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
にない登る有様と階級意識。 松の間の冬日にとまる電車かな かな女 ストーブや
棕櫚竹客の椅子にふれ みどり 風景にさえ西欧趣味は浸みわたっている。絨毯を....