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「棕櫚箒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

棕櫚箒の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
淫売婦」より 著者:葉山嘉樹
年にすれば沢山《たくさん》ある筈《はず》の黒髪は汚物や血で固められて、捨てられた棕櫚箒《しゅろぼうき》のようだった。字義通りに彼女は瘠せ衰えて、棒のように見えた....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
顔! 中には日本に籍があるのかと怪まれるくらい黒いのがいる。――刈り込まざる髯!棕櫚箒《しゅろぼうき》を砧《きぬた》で打ったような髯――この気魄《きはく》は這裏....
七階の住人」より 著者:宮本百合子
見ていると、左隣のミス・ホルフォードが、伸子に話しかけた。 「ミス・サッサ、貴女棕櫚箒お好き?」 「棕櫚箒棕櫚箒がどうしたの」 向うの角から、ミス・グレー....
氷蔵の二階」より 著者:宮本百合子
「は、は、男だから、さ。全く髪のいいのいいな。早く君に会ってりゃよかった、あんな棕櫚箒みたいなの!」 房は不快になり、強い声を出した。 「あなたいやな人ね、案....
星女郎」より 著者:泉鏡花
窓から怪くして、さる御令嬢を、蟇、土蜘蛛の変化同然に心得ましたのは、俗にそれ……棕櫚箒が鬼、にも増った狼狽え方、何とも恥入って退けました。 ――(山伏め、何を....
丹下左膳」より 著者:林不忘
るんです。 ヒネクレ者で、口が悪く、見たところはごぞんじのとおり、使いふるした棕櫚箒《しゅろぼうき》に土用干しの古着をひっかけたような姿。能《のう》といったら....