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「棟木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

棟木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放送された遺言」より 著者:海野十三
出来事である。 わが天野祐吉は怖ろしい光り物を見た。と思ったら彼の頭上にあたる棟木がまっ二つに破れて彼に蔽いかぶさった。ガスタンクの爆発と十二階が倒れるような....
深夜の市長」より 著者:海野十三
は火の廻りかなんかの加減で、燃え残っていたのではなかろうか。その前に、焼け落ちた棟木かなんかのために、手首だけが切断せされて、火の廻りの遅いところへポーンと飛ん....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
と、こうも広々としているものかと思われる程、ゆったりとした天井裏であった。頑丈な棟木が交錯して、奇怪な空間を形作っている。と、十間ばかりの彼方に、正しく俯臥せに....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
焦げの桁を潜ると、柱一本も残らぬ焼原であった。 朦々と白い煙の立罩めた中に柱や棟木が重なって倒れ、真黒或は半焦になった材木の下に積重なった書籍が原形のまゝ黒焦....
火星兵団」より 著者:海野十三
かったのである。 とけない謎は、怪人丸木と千二少年の行方であった。二人の体は、棟木の下に見つからなかった。どうやら二人は、命が助かったものらしい。そうして千二....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
、なるほど女の身体にはどこも障りがないようではあるが、只一つ、左の手首が、倒れた棟木の下に入っていて、これがどうしても抜けないのであった。 彼は女の背に廻って....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
るのか、どたばた跳飛ぶ内、ドンドンドンドンと天井を下から上へ打抜くと、がらがらと棟木が外れる、戸障子が鳴響く、地震だ、と突伏したが、それなり寂として、静になって....
少年の死」より 著者:豊島与志雄
かしら》が上にあがって音頭《おんど》を取った、そして大勢の衆の木遣りの唄につれて棟木がゆるゆると上に引き上げられた。庄吉は勇ましい頭《かしら》の姿を見た、それか....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ながら挨拶《あいさつ》の顰《しか》め顔をした。夏間窓が開け放してある時には、窓の棟木に少し高めに両腕をもたして立ち止まった――(彼はそれを自分に有利な姿勢だと思....
勉強記」より 著者:坂口安吾
にこの男は容易ならぬことを発見した。というのは、この男が眠っている顔の真上に当る棟木に、毎晩一匹の蛇がまきついているのを発見したわけである。昼になるともう姿がな....
雪の宿り」より 著者:神西清
の巨樹大木も一様にさながら箒を振るように鳴りざわめき、その中を燃えさかったままの棟木の端や生木の大枝が、雨あられと落ちかかって参ります。やがて寝殿の檜皮葺きのお....
屋根裏の犯人」より 著者:坂口安吾
隠居の顔は一段と蒼ざめてひきしまり、 「これはどこから出てきたかえ」 「屋根裏の棟木の間から落ちてきましたよ。鼠がひいて持ってッたのさ」 「フン。私の隠居家は別....
枯尾花」より 著者:関根黙庵
、土蔵の在た頃当時の住居人某の女房が、良人に非常なる逆待を受け、嬰児を抱いたまま棟木に首を吊て、非命の最期を遂げた、その恨みが残ったと見えて、それから変事が続き....
雪女」より 著者:小泉八雲
細くなって行った、風の叫びのように、――それから彼女は輝いた白い霞となって屋根の棟木の方へ上って、それから煙出しの穴を通ってふるえながら出て行った。……もう再び彼女は見られなかった。....
古事記」より 著者:太安万侶
として、ウカの山の山本に大磐石《だいばんじやく》の上に宮柱を太く立て、大空に高く棟木《むなぎ》を上げて住めよ、この奴《やつ》め」と仰せられました。そこでその大刀....