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森羅
「森羅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
森羅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
かと聞くから、私は何でもないというと、だから貴女は駄目だ、凡《およ》そ宇宙の物、
森羅万象、妙ならざるはなく、石も木もこの灰とても面白からざるはなし、それを左様《....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たついてまわるものは、俗に幽霊風ととなえるあのぬんめりとした雨風で、しかも時刻は
森羅《しんら》万象ものみなすべてが、死んだような夜中の九ツ下がり――。 そのぶ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ゆる結合の限りを尽くしつつ、最後に到達した形態と位置が、今の眼前の創造物としての
森羅万象の総和である。』 カントやデュ・プレルの考えたように諸遊星が将来その運....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
されて一定の限度があり、科学的検討にも、おのずから限度がある。そしてそれは宇宙の
森羅万象に比べては、ほんの局限された一部分に過ぎない。宇宙間には霊妙の力があり、....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
…冗談いっちゃいけません。この速水輪太郎のやることに手品はありません。徹頭徹尾、
森羅万象の間に横たわっている真理に基いてやっているので、すこしも胡魔化しはないで....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
川や石や土や日月|星辰風雨霜雪といえども、実は皆生命を持っている。すなわち宇宙の
森羅万象は一切生命を持っている。さらにこれを換言すれば宇宙は「生命の本態」であり....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ることは、皇神たちの大御心にて、その御神徳の広大なる故に、善き悪しきの選みなく、
森羅万象ことごとく皇国に御引寄せあそばさるる趣きを能く考へ弁へて、外国より来る事....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ることは、皇神たちの大御心にて、その御神徳の広大なる故に、善き悪しきの選みなく、
森羅万象のことごとく皇国に御引寄せあそばさるる趣を能く考へ弁へて、外国より来る事....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
十折を合せて一冊に綴じましたものでありまして、この国の微妙なる光に展きますると、
森羅万象、人類をはじめ、動植物、鉱物、一切の元素が、一々ずつ微細なる活字となって....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
いるが、決して単なる江戸趣味の小天地に跼蹐しているものではない。私は日常応接する
森羅万象に親しみを感じ、これを愛玩しては、ただこの中にプレイしているのだと思って....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
はその風に吹かれながら、暫くは唯|木の葉のように、空を漂って行きましたが、やがて
森羅殿という額の懸った立派な御殿の前へ出ました。 御殿の前にいた大勢の鬼は、杜....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
含蓄的なるには及ばない。そういってあの宗の人はありがたがっている。一心法界の海に
森羅万象が映って一時に炳現すると観るのである。そこに一切法の縁起の無尽があり、事....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
てらい! 本草学にエレキテル、機械学に解剖学、物理に化学に地理天文、人事百般から
森羅万象、宇宙を究める学問だア! もっとも馬鹿野郎の眼から見たら、手品吉利支丹に....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
つてもはなはだ効果的である。 いずれにしてもごく少数の例外を除くところの日本の
森羅万象がアツという間もなく、忽然としてろくでなしの範疇の中へ沈没してしまう壮観....
「茶番に寄せて」より 著者:坂口安吾
然棺桶をねぎりだす。別段死者や恋仇をいたわる精神があるわけじゃない。万事万端ただ
森羅万象の肯定以外に何物もない。どのような不合理も矛盾もただ肯定の一手である。解....