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棲家
「棲家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
棲家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尾生の信」より 著者:芥川竜之介
と続いている。水際《みずぎわ》の蘆《あし》の間には、大方《おおかた》蟹《かに》の
棲家《すみか》であろう、いくつも円《まる》い穴があって、そこへ波が当る度に、たぶ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、唄ってくる一種の乞食があった。したがって河童といえば生の胡瓜を食うもの、河童の
棲家といえば源兵衛堀にあるというように、一般の人から冗談半分に伝えられて、中には....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
らは、まことに単調な日が続いた。 初めのうちは、刑務所ほど平和な、そして気楽な
棲家はないと思って悦んでいた。しかし何から何まで単調な所内の生活に、遂に愛想をつ....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
く震災で一度|潰れたのを、また復活させてみたが、思わしくないので、そのまま蜘蛛の
棲家に委ねてしまったものだろう。それにしても……。 と、突然に、後方にガタンと....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
見下すように見える。赤い煉瓦造りの壁面を蔦蔓がたんねんに這い繁ってしまっている。
棲家として一番落着きのある風情を感じさせるものは、イギリスの住宅建築だということ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。その西郷山もおいおいに拓かれて分譲地となりつつあるから、やがてはここらにも鳶の
棲家を失うことになるかも知れない。いかに保護されても、鳶は次第に大東京から追いや....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
の一大事であるとともに、大きくいえば、わが日本の一大事である。 おそろしき
棲家 イワノフ博士は、大型のピストルをかまえ、帆村と正太とを今にも撃ち殺しそう....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
に。 「――梅田十八は、恐る恐る大広間に入りこんだ。彼はよく名探偵が大胆にも賊の
棲家に忍びこむところを小説に書いたことがあったけれど、本当に実物の邸内に侵入する....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
陣|擬、百年|経って石にはなっても、滅多に朽ちる憂はない。それだけにまた、盗賊の
棲家にでもなりはせぬか、と申します内に、一夏、一日晩方から、や、もう可恐く羽蟻が....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
達に食物を持って来る娘からは足で蹴られるのです。 堪りかねてその子家鴨は自分の
棲家をとび出してしまいました。その途中、柵を越える時、垣の内にいた小鳥がびっくり....
「お住の霊」より 著者:岡本綺堂
があって、水の淀んで碧黒い処には水草が一面に漂っていて、夏になれば蛇や蛙|宮守の
棲家となる、殊にこの池は中々底深いと聞くから、或はこの水中に何物か沈んでいるので....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
み合っていた昔のおもかげは見いだされなかった。広い空地に草をしげらせて、蛇や蛙の
棲家にして置くよりも、こうすれば立派な畑になると、彼はそこらを指さして得意らしく....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
見いだされた。土が崩れ落ちた洞穴ではない、おそらく遠い昔の人がわざわざ作り設けた
棲家であろう。入口は一間ぐらいの広さで、奥行きは三間ほどの深さをもっていた。穴の....
「不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
など、その周囲の事情から壁や柱の色合などへかけて、彼等の潜伏する場所として屈強の
棲家だと点頭れるのだから、そういうような話の方面からも、この羅馬を開拓すれば、何....
「活人形」より 著者:泉鏡花
て、他所ながら赤城の様子を聞くに、「妖物屋敷、」「不思議の家、」あるいは「幽霊の
棲家、」などと怪しからぬ名を附して、誰ありて知らざる者無し。 病人が雪の下なる....