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棺桶
「棺桶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
棺桶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千年後の世界」より 著者:海野十三
音をまちわびている。 棺といっても、これはわれわれの知っているあの白木づくりの
棺桶ではない。難熔性のモリブデンの合金エムオー九百二番というすばらしい金属でつく....
「赤外線男」より 著者:海野十三
子であると断定された。乙吉は幾度も係官の前に迷惑をかけたことを謝し、屍体は持参の
棺桶に収め所持品は風呂敷に包んで帰りかけた。 「オイ隅田君、ちょっと待ち給え」司....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ると、そこには急設の電灯が、煌々と輝いて金貨散らばる洞窟の隅から隅までを照らし、
棺桶の中の骸骨も昨夜そのまま、それから虚空を掴んで絶命している痣蟹仙斎の屍体もそ....
「超人間X号」より 著者:海野十三
体となって一度土中にうずめられた人間が、その後になってとつぜん生きかえり、自分で
棺桶《かんおけ》だけはやぶりはしたものの、重い墓石をもちあげかねて、泣きうらんで....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
蘇生った。その時分から酒を飲んだから酔って転寝でもした気でいたろう。力はあるし、
棺桶をめりめりと鳴らした。それが高島田だったというからなお稀有である。地獄も見て....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
も、もっと大きいようにも思われる。 「あの函はなんだろう」 「あれは屍体の入った
棺桶だ」 「えっ、
棺桶。ずいぶん数があるようだが、どうしてあんなに……」 「地球....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
とを思い出す」 「いや、くだらんことではないです。わしは、この戦車が、われわれの
棺桶であることを、どうかして、早く信じ、なお且つ、ついでに、この
棺桶を一歩外へ出....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
「おお、そうだッ。――」 八十助の心臓は、早鐘のように鳴りだした。 「これは
棺桶の中だ。
棺桶の中に違いない!」 彼の胸には、急に千貫もあろうという大石を載....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
ズーッと見廻したのであった。 そのとき彼の眼についたのは、器械棚と並んで大きな
棺桶を壁ぎわに立てかけたような函の中に納まっている鋼鉄製の人造人間であった。それ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
かえった。 「どう? うまくなったかい」 「いいえ、先生。とても駄目ですわ。――
棺桶の蔽いをとるところで、すっかり力がぬけちまいますのよ」 「それは困ったネ。―....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
たが、例の顔や手のむらさきの斑点はますますひどくなって来た。しかも、埋葬前に彼を
棺桶のなかで見たことのある人達には、それも別に気にならなかった。 こういうよう....
「明日」より 著者:井上紅梅
五枚を抵当にして銀二円借りて来て、世話人に出す御飯の支度をした。 第一の問題は
棺桶である。單四嫂子はまだほかに銀の耳輪と金著せの銀|簪を一本持っているので、そ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
一本松へ。」 「はあ、それはご趣向。あとで、お駕籠でお迎いに参りましょう。」 「
棺桶といえ、お閻魔殿。――ご馳走でした。……お冬さん、そこで、一本松までは遥々で....
「死体室」より 著者:岩村透
処で、静かな夜に、隣室から、苦しそうな病人の呻吟が聞えてきたり、薄暗い廊下を白い
棺桶が通って行ったりして、誠に気味の悪るいものだが、弟はその病院の二階にある解剖....
「迷信解」より 著者:井上円了
いまだかつて聞かぬ。通常の場合にては、夢中に人の葬式を見たとか、墓場を見たとか、
棺桶があったとかいうくらいにて、つまり不吉の夢を見た。しかるところ、その後に親戚....