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椋
「椋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
椋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬の日」より 著者:梶井基次郎
くなった。そしてある日、屏風《びょうぶ》のように立ち並んだ樫《かし》の木へ鉛色の
椋鳥《むくどり》が何百羽と知れず下りた頃から、だんだん霜は鋭くなってきた。 冬....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
》を起こすよりも母親の思っていることがいかにも滑稽になって来たので、 「そんなら
椋鳥《むく》ですやろうかい」 と言って独《ひと》りで笑いたくなって来るのだった....
「父帰る」より 著者:菊池寛
う帰ってくるやろう。もうめっきり寒うなったな。 新二郎 おたあさん、今日浄願寺の
椋《むく》の木で百舌《もず》が鳴いとりましたよ。もう秋じゃ。……兄さん、僕はやっ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
むかしのもの語にも、年月の経る間には、おなじ背戸に、孫も彦も群るはずだし、第一|
椋鳥と塒を賭けて戦う時の、雀の軍勢を思いたい。よしそれは別として、長年の間には、....
「乱世」より 著者:菊池寛
違いない。そう考えると、彼はどうにも、味方の後を追うて行く気がしなかった。 巨
椋の池の堤に出たときは、戦場の銃声も途絶えて、時々思い出したように、大砲の音がか....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
がよいでしょう。それにまだ明瞭な証拠を握ったわけでもありませんから……」 「君は
椋島技師のことを指して言っているのじゃないだろうな」博士は、はじめて立ち止ると、....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
人は爬虫館の研究員の鴨田兎三夫という理学士医学士、もう一人は小禽暖室の畜養主任の
椋島二郎という者、この二人です。ところが両人が園長を見掛けたという時刻が、殆んど....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
には闇よりも濃い樹の闇、山の闇がもくもくと空へ押しのぼっていた。そのなかで一本|
椋の樹の幹だけがほの白く闇のなかから浮かんで見えるのであった。 これはすばらし....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ああ愛する友よ、わが掌の温けきを離れて、蘆そよぐ枯野の寒きに飛び去らんとするわが
椋鳥よ、おまえのか弱い翼に嵐は冷たかろう。おまえに去られて毎日泣いて待っている私....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
することだった。春木少年は走りだしたがまたもや戻ってきた。彼は、そこに聳えている
椋の木の根方を、ありあわせの石のかけらで急いで掘った。 しばらくして、彼が手を....
「貧乏」より 著者:幸田露伴
引きゃあ樗蒲一もやる、抜目なくチーハも買う富籤も買う。遣らねえものは燧木の賭博で
椋鳥を引っかける事ばかり。その中にゃあ勝ちもした負けもした、いい時ゃ三百四百も握....
「蚤」より 著者:斎藤茂吉
くておもしろい。そうしてもはや傍観的客観的見物的である。ところがいつぞや森鴎外の
椋鳥通信を読むに、独逸の蚤を見世物のために亜米利加に連れて行こうとすると、亜米利....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
る。 「私、どこでも島さえ見つければ、一生懸命に働きますわ。あなたの、|ズボンも
椋梠毛でつくれますわ。それに、珊瑚礁の烏賊刺しは、サモア女の自慢ですもの」 「僕....
「おせん」より 著者:邦枝完二
んだぜ」 「ふうん、奴にそんな器用なことが出来るのかい」 「相手がいいんだ」 「
椋鳥か」 「ちゃきちゃきの江戸っ子よ」 「はァてな、江戸っ子が、奴のいかさまに引....
「古事記」より 著者:太安万侶
らせました。そこでその頭を見ると呉公《むかで》がいつぱいおります。この時にお妃が
椋《むく》の木の實と赤土とを夫君に與えましたから、その木の實を咋《く》い破《やぶ....