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椋鳥
「椋鳥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
椋鳥の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬の日」より 著者:梶井基次郎
くなった。そしてある日、屏風《びょうぶ》のように立ち並んだ樫《かし》の木へ鉛色の
椋鳥《むくどり》が何百羽と知れず下りた頃から、だんだん霜は鋭くなってきた。 冬....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
》を起こすよりも母親の思っていることがいかにも滑稽になって来たので、 「そんなら
椋鳥《むく》ですやろうかい」 と言って独《ひと》りで笑いたくなって来るのだった....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
先に使って、上野へ来たことまでかぎつけて、この山下に張り込んでいたところを見ると
椋鳥《むくどり》ゃおおぜいさんかもしれねえや。かまわねえから、ほっときな」 「だ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
むかしのもの語にも、年月の経る間には、おなじ背戸に、孫も彦も群るはずだし、第一|
椋鳥と塒を賭けて戦う時の、雀の軍勢を思いたい。よしそれは別として、長年の間には、....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
……? はてな? いねえぞ、いねえぞ、三|的! 三的! ずらかッちまったぜ。いい
椋鳥だったにな。おめえがあんまり荒ッぽい真似するんで、胆をつぶして逃げちまったぜ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
と思われるや一緒に、十郎次の言う声が戸の外にまで洩れ伝わりました。 「そのような
椋鳥が飛び込んで参ったとすれば、ほかの女共がいては邪魔じゃ。下げい。下げい。残ら....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ああ愛する友よ、わが掌の温けきを離れて、蘆そよぐ枯野の寒きに飛び去らんとするわが
椋鳥よ、おまえのか弱い翼に嵐は冷たかろう。おまえに去られて毎日泣いて待っている私....
「貧乏」より 著者:幸田露伴
引きゃあ樗蒲一もやる、抜目なくチーハも買う富籤も買う。遣らねえものは燧木の賭博で
椋鳥を引っかける事ばかり。その中にゃあ勝ちもした負けもした、いい時ゃ三百四百も握....
「蚤」より 著者:斎藤茂吉
くておもしろい。そうしてもはや傍観的客観的見物的である。ところがいつぞや森鴎外の
椋鳥通信を読むに、独逸の蚤を見世物のために亜米利加に連れて行こうとすると、亜米利....
「おせん」より 著者:邦枝完二
んだぜ」 「ふうん、奴にそんな器用なことが出来るのかい」 「相手がいいんだ」 「
椋鳥か」 「ちゃきちゃきの江戸っ子よ」 「はァてな、江戸っ子が、奴のいかさまに引....
「鎖ペンを握って」より 著者:種田山頭火
望を胸ふかく抱いています。機が熟したら、必ず実行します。そして、その一半を俳句の
椋鳥会と短歌の白楊社とに捧げたいと思うています。郷土芸術――新しい土に芽生えつつ....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
た。 三|月の末つ方、消えがてなりし雪も、次第に跡なく融けた或夜、病院の庭には
椋鳥が切りに鳴いてた折しも、院長は親友の郵便局長の立帰えるのを、門まで見送らんと....
「女房ども」より 著者:神西清
まで舞い上っているのですが、それでもまだ不足で、もっと高く登らせたいのです。鶸や
椋鳥も捕るし、鳥籠も上手に拵えました。……なに詰らないと言ってしまえばそれまでで....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
アーストロフ用のやや小型なテーブル。その上に製図用具や絵具、そばに大きな紙挟み。
椋鳥を入れた鳥籠。壁には、誰にも用のなさそうなアフリカの地図。レザー張りのばかで....