»
植
「植〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
植の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
てしまう。つまり一本の薔薇《ばら》の花はそれらの人々には美しいとともにひっきょう
植物学の教科書中の薔薇科《しょうびか》の
植物に見えるのである。現にその薔薇の花を....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
とか云う以外に殆ど口を利いたことはなかった。こう云う「離れ」にも聞えて来るものは
植え込みの竹の戦《そよ》ぎだけだった。甲野は薄ら寒い静かさの中にじっと玄鶴を見守....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
芙蓉《ふよう》は、もう花が疎《まばら》になったが、向うの、袖垣《そでがき》の外に
植えた木犀《もくせい》は、まだその甘い匂いが衰えない。そこへ例の鳶《とび》の声が....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
形の侍所《さむらいどころ》も、その時は私共二人だけで、眩《まば》ゆく朝日のさした
植込みの梅の青葉の間からは、それでも涼しいそよ風が、そろそろ動こうとする秋の心も....
「影」より 著者:芥川竜之介
の後に、その窓から外を覗《のぞ》いた時には、ただ微風に戦《そよ》いでいる夾竹桃の
植込みが、人気《ひとけ》のない庭の芝原を透《す》かして見せただけであった。
「ま....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
あいだ》に、薔薇《ばら》だの、橄欖《かんらん》だの、月桂《げっけい》だの、西洋の
植物が
植えてあった。殊に咲き始めた薔薇の花は、木々を幽《かす》かにする夕明《ゆう....
「河童」より 著者:芥川竜之介
の家《うち》へ退屈しのぎに遊びにゆきました。トックはいつも狭い部屋《へや》に高山
植物の鉢
植《はちう》えを並べ、詩を書いたり煙草《たばこ》をのんだり、いかにも気楽....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
た。それは満足そのものと云っても、少しも差支《さしつか》えない姿だった。僕は熱帯
植物の中からしっきりなしに吹きつけて来るジャッズにはかなり興味を感じた。しかし勿....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
りへ来た時、水の中の金魚が月の光に、はっきり数えられたのも覚えている。池の左右に
植わっているのは、二株《ふたかぶ》とも垂糸檜《すいしかい》に違いない。それからま....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
と足を止めて、茫然とあたりを見廻したそうだ。あすこには河岸《かし》へ曲った所に、
植木屋ばかりが続いている。どうせ縁日物《えんにちもの》だから、大した
植木がある訳....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
で、室《しつ》の中はどうかすると汗がにじむほど暖い。そこへテエブルの上へのせた鉢
植えの紅梅が時々｜支那《しな》めいた匂を送って来る。
二人の間の話題は、しばら....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
の間に、的※《てきれき》たる花をつけたのを眺めていた。日の色はもううすれ切って、
植込みの竹のかげからは、早くも黄昏《たそがれ》がひろがろうとするらしい。が、障子....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
にはルノアルやセザンヌの複製などもかかっている。ピアノも黒い胴を光らせている。鉢
植えの椰子《やし》も葉を垂らしている。――と云うと多少気が利《き》いていますが、....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
となりては西洋｜擬いの外見煉瓦蒸暑きこと言わん方なく、蚤の多きことさながらに足へ
植えたるごとし。呉牛の喘ぎ苦しく胡馬の嘶きを願えども甲斐なし。夜はなおさら昼のホ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
室も貸して置いて、出来るだけの優遇をした。 実際、王立協会はファラデーが芽生で
植えられた土地で、ここにファラデーは生長して、天才の花は爛漫と開き、果を結んで、....