植字[語句情報] »
植字
「植字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
植字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
、英国政府が調査した結果からマルクスは、ポートランドの監獄囚徒が、農業労働者や、
植字工などよりも、よい営養をとっていたことを証明している。(資、一ノ三、二三八ペ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
となす。ただ新聞記者の業に在る者潜心校閲の暇なく、新聞紙を切り抜きたるままこれを
植字に付したるは醜を掩うあたわざるゆえんなり。 著者誌 明治二十四年五月 ....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
もあるが、それはきわめてまれであった、棚に並べたケースの活字も少なかった。文選も
植字も印刷も主がみな一人でやった。日曜日などにはその弟が汚れた筒袖を着て、手刷り....
「安重根」より 著者:谷譲次
事道具など散乱し、おびただしい洋書、新聞紙の類が山積している。反対側にささやかな
植字台、旧式の手刷りの印刷機、その他の器具必要品など乱雑に置かれて、中央に李主筆....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
中で苦しんでいるらしい姿を見ると、大きな声で唄うように字を読みながら植えて行く、
植字小僧のことを、浩は思い浮べた。 「杵築、杵築……好、好親!」と平気に、何事も....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
筆を加え」るという我流の仕事ぶりを持っていた。そのためにバルザックの作品の校正は
植字工にとって恐ろしい仕事であったばかりでなく、作者自身にとっても驚くべき大仕事....
「文学と生活」より 著者:宮本百合子
くる。 このような場合の苦しいいきさつを、徳永直の「はたらく人々」はアサという
植字の婦人労働者を女主人公として、こくめいに描きだしている。いまから十年前にかか....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
月末だったと思う。話がまとまると、氏は早速入社の辞を書いてよこした。原稿はすぐに
植字場へ廻されて活字に組まれたが、ちょうど政治季節で、おもしろくもない議会の記事....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:条野採菊
判を奪い、三十年後の今日迄依然として其の色を変ぜざるのみか、一度やまと新聞に写し
植字たるに、這も復時期に粟田口鋭き作意と笛竹の響き渡り、恰も船人の山に登るべき高....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
てあった印刷工場を門内の道場の中に取り入れた、小野生が一人その中で頻《しき》りに
植字文選をしている、志村生は休み、活版所を継続するに就いては、二三十年来、弥之助....
「浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
やったり、また主に端物《はもの》の仕事をしたりしていて、手刷りの機械などもあり、
植字組版などの技術的な方面を習得するのに便利であり、李もそうした技術を学んでいた....
「在学理由」より 著者:豊島与志雄
こと勉強したいんです。」 「沢山講義を聴いてるのかい。」 「講義ではありません。
植字とか、編輯とか、校正とか、研究してみました。」 そして彼は、或る小さな印刷....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
甲源一刀流の巻の最初からやり出したものでとにかくあれが二三百頁あってそれを文選、
植字、校正、印刷、一切一人で三百部だけ拵えて刷り上げたのである、然し三百部だけは....
「白い道」より 著者:徳永直
いれる。そのハトロン封筒の手紙も、気がすすまないのである。小野は東京で時事新報の
植字部に入っていた。小野のほかに、熊本出の仲間であるTや、Nや、Kやも、東京のあ....
「妾宅」より 著者:永井荷風
精神|気魄《きはく》に乏しきはむしろ当然の話である。当節の文学雑誌の紙質の粗悪に
植字《しょくじ》の誤り多く、体裁の卑俗な事も、単に経済的事情のためとのみはいわれ....