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植物園
「植物園〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
植物園の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
――それから先も妹の話は軽快に事件を追って行った。彼等は一しょに展覧会を見たり、
植物園へ写生に行ったり、ある独逸《ドイツ》のピアニストを聴《き》いたりしていた。....
「或る女」より 著者:有島武郎
鼻の孔《あな》がふさがった。門を出る時も口びるはなおくやしそうに震えていた。日は
植物園の森の上に舂《うすず》いて、暮れがた近い空気の中に、けさから吹き出していた....
「外科室」より 著者:泉鏡花
科大学に学生なりしみぎりなりき。一日《あるひ》予は渠《かれ》とともに、小石川なる
植物園に散策しつ。五月五日|躑躅《つつじ》の花盛んなりし。渠とともに手を携え、芳....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
ると思っていたところ、見られたために却って自尊心が傷ついてしまった。 ある日、
植物園を散歩していると、北園町から自転車で通学している桑部という同じクラスの者に....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
まず煙草をよした。そして今までは暴れ廻ることに費していた休憩時間を、多くは前庭の
植物園に暮した。 学校の前庭は、半分が器械体操場で他の半分が立派な
植物園だった....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
西片町は開けたばかりで広い/\原の彼地此地にポツポツ家が建ち初めた。西片町の下の
植物園の近所には田があった。東京の到る処に昔の江戸の残り物があった。 二十五年....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ないので、窓の下の庭園をいつまでも見おろしていた。その庭の様子で、このパドゥアの
植物園は、イタリーはおろか、世界のいずこよりも早く作られたものの一つであると判断....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
た。「それから一緒に午飯を食って、自動車をよんでもらって、小鉄と相乗りでゴム園や
植物園を見物に行った。それは誰でもすることで別に不思議もないんですが、事件はそれ....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
席なる上、仏蘭西語だの羅甸語だの、いろいろのものを修業しいたり。それから休日には
植物園などへ、水彩画の写生に出かけしものなり。僕もその御伴を仰せつかり、彼の写生....
「火の扉」より 著者:岸田国士
かりである。日がながくなつた。どこかのやぶがちらほらとつきはじめた。 ハノイの
植物園のことをふと思い出す。日の暮れかゝる時分になると、重くよどんだ空気のなかで....
「アッタレーア・プリンケプス」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
とある大きな町に
植物園があって、園内には、鉄骨とガラスづくりのとても大きな温室がありました。たい....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
白山の家を出て、入費のかからない点、屈竟ばかりでなく、間近な遊山といってもいい、
植物園へ行って、あれから戸崎町の有名な豆府地蔵へ参ろうと、御殿町へ上ると、樹林|....
「西航日録」より 著者:井上円了
、合掌して余の前に捧げり。その状、あたかも仏に供養するがごとし。 二十日、同地
植物園を一覧し、市場を遊歩し、当時この地に隠棲せる康有為君を訪う。余、拙作一首を....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
氾濫し、屋下に浸入するためなりという。午前九時より鈴木某氏の案内にて、市街および
植物園を通覧す。当日は祝日にして、諸店閉鎖し、博物館、美術館も入場するを得ず。た....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、紫の弧燈にまつわる雪のような白い蛾、小網町の鴻の巣で賞美した金粉酒のちらちら、
植物園の茴香の花、大蒜の花、銅版画は司馬江漢の水道橋の新緑、その紅と金、小林清親....