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椎の実
「椎の実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
椎の実の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「身投げ救助業」より 著者:菊池寛
それでたいていは首を括《くく》った。聖護院の森だとか、糺《ただす》の森などには、
椎の実を拾う子供が、宙にぶらさがっている死体を見て、驚くことが多かった。 それ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
》の実を老人のほうへ移しました。と同時に、老人の目は怪しく輝き、いま移されたその
椎の実の中から、ひときわ大きい一つを捜し出して、やにわにそれを歯でこわし、意外な....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
んに大胆になって、竹竿を持ち出して叩き落す、あるいは小石に糸を結んで投げつける。
椎の実よりもやや大きい褐色の木の実が霰のようにはらはらと降って来るのを、われ先に....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、此頃では梢の枝葉も蕃茂して、何時花が咲いたか、つい此程|内の女児が其下で大きな
椎の実を一つ見つけた。と見て、妻が更に五六|粒拾った。「椎が実った! 椎が実った....
「球根」より 著者:寺田寅彦
なかった。紙包みを破って見ると、まだ新しい黄木綿の袋が出て来た。中にはどんぐりか
椎の実でもはいっているような触感があった。袋の口をあけてのぞいて見ると実際それく....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
鷹、みさごぐらいなものか、餌食を掴んで容色の可いのは。……熊なんぞが、あの形で、
椎の実を拝んだ形な。鶴とは申せど、尻を振って泥鰌を追懸る容体などは、余り喝采とは....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
た、振出しの、有平、金米糖でさえ、その可愛らしいお口よごしじゃろうに、山家在所の
椎の実一つ、こんなもの。」 と、へぎ盆も有合さず、菜漬づかいの、小皿をそこへ、....
「雲母片」より 著者:宮本百合子
真白い紙の端に墨の拇印をつけながら、抓んで半紙を御飯台の上に展げた。母は、傍から
椎の実筆を執り池にぽっとりした! 岡でくるくる転して穂を揃えた。その筆を持って、....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
拾いにいって、夜になるとおばあさんの不思議な話をききながら煎《い》ってもらって、
椎の実の味を知った。秋のはじめになると、 「蓮《はす》の実はいらないか、蓮の実い....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
、硯箱が調えられた。白紙を一帳綴じたお草紙、字が一字も書いてない真っ白な折手本、
椎の実筆と、水入れと、※の柏墨が用意され、春のある日、祖母に連れられ、女中と書生....
「古木」より 著者:豊島与志雄
兜虫がいました。夕方など、蟇が眼を光らしていることもありました。 秋になると、
椎の実が落ちました。まだ歯の丈夫な祖母は、
椎の実が好きで、天火で炒って食べました....
「九龍虫」より 著者:上村松園
の医者は説明してくれた。 私は二、三十匹もらって桐の箱に入れて、医者の説明通り
椎の実、龍眼肉、栗、人参などを買って来てあたえてみた。 二週間ほどしてから覗い....
「くだもの」より 著者:正岡子規
れらのものを総称して何というかといえば、木の実というのである。木の実といえば栗、
椎の実も普通のくだものも共に包含せられておる理窟であるが、俳句では普通のくだもの....
「牡蠣船」より 著者:田中貢太郎
その傍には小さな車夫の溜を設けてあった。車夫小屋と並んで活動写真の客を当て込んで
椎の実などを売っている露店などもあった。秀夫はその前を通って使者屋橋の袂にその入....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
春雨 彼岸 春の山 猫の恋 時鳥 牡丹 清水 五月雨 富士|詣 七夕 秋風 目白
椎の実 秋の暮 時雨 掛乞 牡蠣 枯尾花 鐘|冴ゆる こう言ってもまだ諸君は、....