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「椒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

椒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
家霊」より 著者:岡本かの子
き立てた。くめ子は小魚が白い腹を浮かして熱く出来上った汁を朱塗の大椀に盛った。山《さんしょう》一つまみ蓋の把手《とって》に乗せて、飯櫃《めしびつ》と一緒に窓か....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
たましく鳴り響いた。毒瓦斯が、また、やってきたらしい。 何か、喚く声がする。胡臭い、刺戟性の瓦斯が、微かに、鼻粘膜を、擽った。 (塩化ピクリンか!) 東山....
食魔」より 著者:岡本かの子
た荒っぽく無雑作に見えた。教師は左の手で一つの匙を、鉢の蔬菜の上へ控えた。塩と胡と辛子を入れる。酢を入れる。そうしてから右の手で取上げたフォークの尖で匙の酢を....
栃の実」より 著者:泉鏡花
。その頃、藁家の軒札には虎杖村と書いてあった。 ふと、軒に乾した煙草の葉と、蕃の間に、山駕籠の煤けたのが一挺|掛った藁家を見て、朽縁へ※道を向うへ切って、樗....
空襲警報」より 著者:海野十三
ればよい。 窒息性のホスゲンは堆肥くさく、催涙性のクロル・ピクリンはツーンと胡くさく、糜爛性のイペリットは芥子くさいから、瓦斯のあるなしはすぐわかるのだ。 ....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
い白壁、寺の塔など睫を擽る中に、行交う人は点々と蝙蝠のごとく、電車は光りながら山魚の這うのに似ている。 忘れもしない、限界のその突当りが、昨夜まで、我あれば....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
えていた、大島揃、大胡坐の熊沢が、ぎょろりと平四郎を見向いて言うと、笑いの虫は蕃を食ったように、赤くなるまで赫と競勢って、 「うはははは、うふふ、うふふ。うふ....
古狢」より 著者:泉鏡花
、可厭よ、私、こんな処で、腰掛けて一杯なんぞ。」 「大丈夫。いくら好きだって、蕃では飲めないよ。」 と言った。 市場を出た処の、乾物屋と思う軒に、真紅な蕃....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
も入ろう。「あり候」に挨拶の心得で、 「おかみさん、この柿は……」 天井裏の蕃は真赤だが、薄暗い納戸から、いぼ尻まきの顔を出して、 「その柿かね。へい、食べ....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
います、居酒屋、といった処で、豆腐も駄菓子も突くるみに売っている、天井に釣した蕃の方が、燈よりは真赤に目に立つてッた、皺びた店で、榾同然の鰊に、山家|片鄙はお....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
埃も立たない秋の空は水のように澄渡って、あちらこちら蕎麦の茎の西日の色、真赤な蕃が一団々々ある中へ、口にしたその葉巻の紫の煙を軽く吹き乱しながら、田圃道を楽し....
九龍虫」より 著者:上村松園
いたが、疲労を覚えてどうにも弱り果てた時に思い切ってのんでみた。 ひりりっと山の実を口に入れたような味がした。 べつだん効くようにも感じないが、用いていれ....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
侍は通り過ぎてしまったのかも知れない。 伊四郎が見たのは龍ではない、おそらく山魚であろうという者もあった。そのころの江戸には川や古池に大きい山魚も棲んでい....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
油障子はペンキ塗りの硝子戸に変っているが相変らず、さらし袋のかかっている店先の山の木の傍で子供が転んで泣いている背中を親鶏とヒヨコがあわてて跨いで行く。 ――....
妖影」より 著者:大倉燁子
ないらしい。何故というのにソースの瓶を取ろうとしてはやる。食塩を取る時もやる。胡、果物、何の時でもやるからだ。余り目まぐるしく繰返すので、見ているだけで、こっ....