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「検使〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

検使の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
ど》の皮|一重《ひとえ》はのこっている。弥三左衛門は、その首を手にとって、下から検使の役人に見せた。頬骨《ほおぼね》の高い、皮膚の黄ばんだ、いたいたしい首である....
義人の姿」より 著者:田中貢太郎
横山のとりあつかいによって吉平は成敗を受けずに切腹と云うことになった。横山がその検使であった。 横山は一人の下役を従えて吉平の家へ往った。吉平は表座敷の塵を払....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
持たせて、本郷春木町三丁目の指物屋岩吉方へ遣わしましたが、中々|大騒で、其の内に検使が到来致しまして、段々死人を検めますと、自ら死んだように、匕首を握り詰めたな....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
禧のところへ来て言った。 「今日は土佐家から、客分の家老職に当たります深尾康臣も検使として立ち会ったと申してまいりました。鬮引きで、切腹に当たる者を呼び出したと....
八人みさきの話」より 著者:田中貢太郎
は取次が報知せてくると、おろそうとした石を控えてちょうと考える容であったが、 「検使に来たと見えるな、今碁を打っておるから、碁が済むまで待たしておけ」 彼は静....
巌流島」より 著者:直木三十五
腰の手拭を取って鉢巻をした。 小次郎は辰の上刻少し前に、美々しく飾られた小舟で検使役人と共に向島で待っていた。渚から七八間離れた所に仕合の場をしつらえて、足軽....
相馬の仇討」より 著者:直木三十五
、足立兵左衛門が、討手、仇人《かたき》を中に、馬上と徒歩で入ってくる。 足軽が検使のある左右へ手桶に水を入れて置く。侍頭太鼓を脇にして撥をもっている。 「佐々....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
あ、洗って一通りの手当をしてから、俵の中へ包むんだね、この首をさ、そうすると獄門検使というのと、町方年寄とか、村方年寄とかいうのと、同心とが出て来てその首を受取....
丹下左膳」より 著者:林不忘
両人力をあわせ一勝負して亡師の鬱憤《うっぷん》をはらそうとはかり、ついに北条家の検使を受け、江戸両国橋で小熊と兎角立ち会い、小熊、根岸兎角を橋上から川へ押しおと....
四十八人目」より 著者:森田草平
合の挨拶、上杉家から追手がかかった時の懸引、なおまた討入って勝負のつかぬうちに御検使が出張になった場合、それに応ずる口上にいたるまで、すべて十二箇条にわたって残....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
と或る人の知らせに、圓次郎な庚申塚の前になさけない死状をして居るというので、急に検使を受け、泣く/\村方の寺へ野辺の送りを済ませましたが、多助は如何にも気の毒に....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
消御役酒井内蔵助(五千石)の家臣、織部純之進という若武士で、それは酒井家の領地巡検使という役目を初めて承わり、飛地の伊豆は田方郡の諸村を見廻りの初旅というわけで....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、ずかずかと、背中にせまる足音がした。俊基は、すぐきッと背すじを正した、そして、検使の床几――諏訪三郎や工藤高景の方へ向って目礼した。なお、その眸が、しずかに、....
べんがら炬燵」より 著者:吉川英治
どつけているところなのである。 伝右衛門は、詰所と、そこと、廊下と、また上使と検使役のひかえ間とのあいだを、うろうろしていた。 「いけない! 見苦しい」 自....