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検印
「検印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
検印の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「分配」より 著者:島崎藤村
取りもしないうちから、その金のことを考えるようになった。私たちの家では人を頼んで
検印を押すだけに十日もかかった。今度の出版の計画が次第に実現されて行くことを私の....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
渡年月日」なぞいうものが、一面に行列を立てて書込んである上と下に、一々若林という
検印が捺してあります。……ところでその帳面の半分に近い、書込みの残っている頁まで....
「あそび」より 著者:森鴎外
んぐんはかが行く。三件も四件も烟草休なしに済ましてしまうことがある。済んだのは、
検印をして、給仕に持たせて、それぞれ廻す先へ廻す。書類中には直ぐに課長の処へ持っ....
「争われない事実」より 著者:小林多喜二
いる兄に面会に行きたがった。母と娘はそれを楽しみに働くことにした。健吉からは時々
検印の押さった封緘葉書が来た。それが来ると、母親はお安に声を出して読ませた。それ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
志である。 本の印――顕治の手紙にあるあて名の百合子という字をそのまま木版にして
検印用の印をつくった。 一月十八日(消印) 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 目白より....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
あると思います。散文の精神というのは現象追ずいではない筈です。
『明日への精神』
検印しました。紙がなくて五千が三千になったから大打撃ね。どの位の定価か存じません....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
曜』と『進路』と並べてみると、さっぱりしすぎのようなところもなくはないでしょう?
検印の判のことちっともおっしゃらないことね。私は一つ一つあれを捺してゆくときそこ....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
ててしまうところだった。 表紙のないその二冊には、ただピーボディ博物館という、
検印が押してあるのみなので、軽率にも私は、取るに足らぬ目録のたぐいかと誤信して、....
「髭の謎」より 著者:小酒井不木
ん変わり者です。蛇の皮をまいたステッキや、蟇の皮で作った銭入れや、狼の歯で作った
検印などを持って喜んでいます」 俊夫君の顔はにわかにうれしそうに輝きました。と....
「日記」より 著者:宮本百合子
出してよいのかちっとも見当のつかない気分がするのである。 『一つの芽生』、五百部
検印。 「処女地」の評に、(読売)社会問題に注目し云々と云うようなことがやかまし....
「瘤」より 著者:犬田卯
子を逆さまに引っつかみ、大上段に振りかぶり、きっと二人を睨み据えた。二人の役人は
検印もそこそこに退却してしまった。 改めて瘤礼讃の一席を弁じた男を考えた田辺定....
「少年の食物」より 著者:木村荘八
でしたが、其の作者の北沢楽天さんが之は又選者で、ウラメシや、毎度学校の先生の年の
検印をもらっては大いに苦心して、はめ絵や判じ絵を出しました。一度も出ないのでがっ....