椴松[語句情報] »
椴松
「椴松〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
椴松の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
んだ。倶知安《くっちゃん》からK村に通う国道はマッカリヌプリの山裾《やますそ》の
椴松帯《とどまつたい》の間を縫っていた。彼れは馬力の上に安座《あぐら》をかいて瓶....
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
きはだ》には真っ赤な蔦紅葉《つたもみじ》が絡んでいた。そして傾斜地を埋めた青黒い
椴松《とどまつ》林の、白骨のように雨ざらされた枯《か》れ梢《こずえ》が、雑木林の....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
っていった。 「ほいやっ、しっ!」 道はその右手に深い渓谷を持ち出して、谷底の
椴松《とどまつ》林帯はアスファルトのように黒く、その梢《こずえ》の枯枝が白骨のよ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
木の名など頻に聞きつゝ、針葉樹林に入る。此林特有の冷気がすうと身を包む。蝦夷松や
椴松、昔此辺の帝王であったろうと思わるゝ大木|倒れて朽ち、朽ちた其木の屍から実生....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
在せるを見るを得べき也。 南に下り、姿見の池を右にして、渓谷の中に入る。天地は
椴松と白樺とに封ぜられたり。渓即ち路也。水、足を没す。膝までには及ばず。岩石あれ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
えてはいた。その把手を菜っ葉服の一人が両手でしっかと引き降しに圧えた刹那である。
椴松の伐りっぱなしの丸太の棒が、一本ずつ、続々に、後から後から、鱶のごとく、鯨の....