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椹
「椹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
椹の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
たの処へ仕事に往った時、私アあのくらいな土庇はねえと、いまだに眼に附いています、
椹の十二枚|八分足で、大したものだ、いまだに貴方のお暮しの話をして居りますが、あ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
と二人は村のことに引っぱり出されるが、そんなけんかは取り合わなかった。 檜木、
椹、明檜、高野槇、※――これを木曾では五木という。そういう樹木の生長する森林の方....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の余裕はありますまいか。」 この注文の無理なことは半蔵も承知していた。樅、栂、
椹、欅、栗、それから檜木なぞの森林の内懐に抱かれているような妻籠の方に、米の供給....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
望を多くの民に抱かせたことか。半蔵らが山林に目をつけ、今さらのように豊富な檜木、
椹、明檜、高野槇、それから※などの繁茂する森林地帯の深さに驚き、それらのみずみず....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、蜘蛛の巣までが、埃を荷って太くなっている、立場つづきの人家は、丈は低いが、檜や
椹の厚板で、屋根を葺いて、その上に石コロを載せている、松林の間から、北の方に、藍....
「都会地図の膨脹」より 著者:佐左木俊郎
た道路が、青い雑草の中に砂利の直線で碁盤縞に膨れあがった。碁盤目の中には、十字に
椹の籬が組まれた。雑草は雨毎に蔓延って行った。荒地野菊が地肌を掩い、姫昔蓬が麻畠....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
……ねえ伸ちゃんといいたい気持ちで、寛子が振り返ると、啓吉も伸一郎も、裏の貧弱な
椹《さわら》の垣根の下で、盛んに泥をこねかえしている。 「伸ちゃん! あんまり、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は材木としては結構だが、こうして大森林の趣にして見ると、なるほど檜は材木の王だ。
椹《さわら》も大分あるようだが、あいつも悪くないね」 「左様でございますよ、御承....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
ちゃんと立つ)貝十郎は歩いて行った。 木曽の五木と称されている、杜松や羅漢柏や
椹や落葉松や檜などが左右に茂っている。山腹の細道は歩きにくく、それに夕暮れでもあ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
よりしょい重りがしたというようなことはございませんでしたか」 「……棺桶といえば
椹《さわら》か杉にかぎったもの。棺桶は棺桶だけの重さ。その日にかぎって重かろうわ....