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楔形
「楔形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楔形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
消えてしまう。
その後で角顋は、朝日の灰を落しながら、新聞の一枚をとりあげた。
楔形文字《せっけいもじ》のような、妙な字が行列した、所謂《いわゆる》ゾイリア日報....
「文字禍」より 著者:中島敦
パピルス》を産しない。人々は、粘土《ねんど》の板に硬筆《こうひつ》をもって複雑な
楔形《くさびがた》の符号《ふごう》を彫《ほ》りつけておった。書物は瓦《かわら》で....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ルレンの水底にあったことになっている。一八七〇年代のころにこれと全く同様な内容を
楔形文字で記した物語が発見され、その中に英雄シト・ナピスティム(Sit-napi....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ていて、その位置は、甲状軟骨から胸骨にかけての、いわゆる前頸部であったが、創形が
楔形をしているので、鎧通し様のものと推断された。また、深さを連ねた形状が、※形を....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
がパッパッ闇に散った。 と、ボーッと燃え付いた。 一所闇が千切られた。そこへ
楔形の穴が穿いた。焔が
楔形に燃え上がったのであった。五人の者は火を囲んだ。風に消....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
を撫でた為め、顔が一変したように、香具師の顔も一変した。燐のように光る切長の眼、
楔形をした鋭い鼻、貝蓋のような薄い唇、精悍無比の若者の顔が、お道化た香具師の顔の....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
位を象徴する古い石塊にカヴァ酒を灌《そそ》ぐのだ。此の島に於てさえ半ば忘れられた
楔形《くさびがた》文字的典礼。老人の白髯《はくぜん》を集めて作った兜《かぶと》の....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
緑石」といい、筑波山などは、これから出来ているということである。 石柱の両面に
楔形文字が彫り付けてある。表面は二十一欄に分ち、一欄毎に六十五行乃至七十五行の文....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
あった。もはや思念は、鋸と材木に凝りかたまった。唇をひんまげるのだ。腰をかがめて
楔形《くさびがた》の矢を取った。それを木口に挾《はさ》んで一歩うしろにさがった。....
「読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
いう際にはセリュローズばかりでできた書籍は哀れな末路を遂げて、かえって石に刻した
楔形文字が生き残るかもしれない。そうでなくとも、また暴虐な征服者の一炬によって灰....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
クリ首を垂れた。寝椅子へ額を押しあてて、ベッタリ臥伏せに寝たのである。襲衣の襟が
楔形に、深く背の方へひかれたためか、背筋まで見せて頸足が、ろくろっ首のように長く....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
らである。特色的なのは眼であろう。眼窩が深く落ち窪み、暗い深い穴のように見える。
楔形に削ったのだろうか? こう思われる程ゲッソリと、頬が頤へかけて落ちている。 ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
間余りも離れていたから、五人の輦台は、二人を、左右へ放して、別々に討取るように、
楔形《くさびがた》になって、追って来た。その、真先にいる武士は、輦台の上へ立上っ....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
と、風変りなアメリカ人がこちらへやってくるのが見える。アンペリアル風の長い口髭と
楔形の顎鬚をはやし、鉄兜をかぶった古典的《クラシック》なアメリカ人が、広間中、裾....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
向うを覗いている。恐ろしく脊の高い偃松の中を旨く切明けを見付けて通り抜ける、横に
楔形をして雪田の端が右手の山腹に天守台の石垣のような断崖を削り出す、厚い所は、三....