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楚
「楚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
始めて心の底で、しみじみこう、祈ったのである。
かれこれその時分の事である。
楚《すわえ》の先に蛇《ながむし》の死骸《しがい》をひっかけた、町の子供が三四人、....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
の夜の中にうき上っている。その顔がまた、どれもいつになく微笑を浮べているのは、西
楚《せいそ》の覇王《はおう》の首をあげた今日の勝戦《かちいくさ》の喜びが、まだ消....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
だったかと思う、とにかく花柳小説《かりゅうしょうせつ》の挿絵《さしえ》のような、
楚々《そそ》たる女が立っているんだ。するとその女が、――どうしたと思う? 僕の顔....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
、七十八日遊記、支那文明記、支那漫遊記、支那仏教遺物、支那風俗、支那人気質、燕山
楚水《えんざんそすい》、蘇浙小観《そせつしょうかん》、北清《ほくしん》見聞録、長....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
みたり。 その年紀《としごろ》は二十三、四、姿はしいて満開の花の色を洗いて、清
楚《せいそ》たる葉桜の緑浅し。色白く、鼻筋通り、眉《まゆ》に力みありて、眼色《め....
「妖術」より 著者:泉鏡花
その垣根へ乗越して、今フト差覗いた女の鼻筋の通った横顔を斜違いに、月影に映す梅の
楚のごとく、大なる船の舳がぬっと見える。 「まあ、可いこと!」 と嬉しそうに、....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
。 小春の雲の、あの青鳶も、この人のために方角を替えよ。姿も風采も鶴に似て、清
楚と、端正を兼備えた。襟の浅葱と、薄紅梅。瞼もほんのりと日南の面影。 手にした....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
立てる裡で、お誓を呼立つること、矢叫びに相斉しい。名を知らぬものまで、白く咲いて
楚々とした花には騒ぐ。 巨匠にして、超人と称えらるる、ある洋画家が、わが、名に....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
四つの柄は、その半面に対しても幸に鼎に似ない。鼎に似ると、烹るも烙くも、いずれ繊
楚い人のために見る目も忍びないであろう処を、あたかも好、玉を捧ぐる白珊瑚の滑かな....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
私たちだって、画師の永洗の絵を、絵で見るじゃありませんか。」 「あそうか、清麗|
楚々とした、あの娘が、引抜くと鬼女になる。」 「戻橋だな、扇折の早百合とくるか、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。しかし数学で研究される結果を忖度し得た。また数学として価値のあるような結果を清
楚な言葉とかいうのは、ファラデー専売の言葉であって、数学者も段々とこれを用いて有....
「車中有感」より 著者:上村松園
、妹の顔立ちと言い、横から眺めていると、天平時代の上※をみている感じで、とても清
楚な趣きを示しているのであった。 色の白い、顔立ちのよく整った、この二人の姉妹....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
刀浪を截つて毒竜降る 出山赤手強敵を擒にし 擁節の青年大邦に使ひす 八顆の明珠皆
楚宝 就中|一顆最も無双 妙椿 八百尼公技絶倫 風を呼び雨を喚ぶ幻神の....
「中支遊記」より 著者:上村松園
そこにはやはり昔からの支那風にこなされ渾然としたものを醸し出しているのであろう。
楚々とした感じは一点の難もないまでによく調和したものになっている。 そこにゆく....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
硬き疎なる辱上に寝ね、もしくは狭窘なる位置に臥したるときは、骨を傷つき、もしくは
楚撻に遭うと夢み、消化せざる食餌をなすときは、肥大なる黒熊来たり、わが胸膈に当た....