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「業火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

業火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ゅう》の時に及んで、たちまち阿鼻叫喚《あびきょうかん》の地獄に堕《お》ち、不断の業火《ごうか》に皮肉を焼かれて、尽未来《じんみらい》まで吠え居ろうぞ。ましてその....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
祈祷《おらしょ》を唱《とな》え、DS の御徳にすがり奉って、万一「いんへるの」の業火《ごうか》に焼かるる事を免るべし」と。われ、さらにまた南蛮の画《え》にて見た....
駈込み訴え」より 著者:太宰治
を買うだろう。けれども、この純粋の愛の貪慾のまえには、どんな刑罰も、どんな地獄の業火も問題でない。私は私の生き方を生き抜く。身震いするほどに固く決意しました。私....
人間失格」より 著者:太宰治
、竹一に見破られるとは全く思いも掛けない事でした。自分は、世界が一瞬にして地獄の業火に包まれて燃え上るのを眼前に見るような心地がして、わあっ! と叫んで発狂しそ....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
も無駄であった。あせればあせるほど、彼の道心《どうしん》をとろかすような強い強い業火《ごうか》は胸いっぱいに燃え拡がって、玉藻のすがたは阿闍梨の眼先きを離れなか....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
! そなたも焦熱地獄の苦しみうけて相果てた! せめてもの罪ほろぼしに、この泥斎も業火に身を焼いていま行くぞ! 許せよ! 許せよ! いま行くぞ!」 叫びを聞いた....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
と静かに輝いた、一道の光に過ぎなかった。しかし今はそうではなかった。今は燃え狂う業火であった。全くそれは活き不動であった。前へ前へと進んで行った。動かないものが....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
、美人の歌、聖賢の経典、碩儒の大著、人間の貴い脳漿を迸ばらした十万巻の書冊が一片業火に亡びて焦土となったを知らず顔に、渠等はバッカスの祭りの祝酒に酔うが如くに笑....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。 三十 お銀様は、弁信の言葉を思い出しながら、当夜の業火のあとをつくづくとながめる。 火が、すべてを焼きつくす革命の痛快に驚喜した....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
その反き去ってしまった結果として、惨憺《さんたん》たる家庭争議がついにこのたびの業火となって、家財、人命をも焼き亡ぼさずにはおかなくなった破局というものも、伊太....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に襲われてきたようです。そうでなくても火事場は風の多いものを、ここに心あって吹く業火《ごうか》でもあるかのように、一時に襲い来った風のために、弁信の纏《まと》う....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
別にくやしいとも、悲しいとも思わなくなりましたが、当時の私どもの胸には正に修羅の業火が炎々と燃えて居りました。恥かしながら私は一|時は神様も怨みました……人を呪....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
芯を顱頂部に当てて、それを渾身の力で押し込んだのだ。しかし胎龍は、焔々たる地獄の業火と菩薩の広大無辺な法力を、ホンの一瞬感じただけで、その儘微動もせず無痛無自覚....
多神教」より 著者:泉鏡花
詛の火を払い消さんとするや、かえって青き火、幣に移りて、めらめらと燃上り、心火と業火と、もの凄く立累る)やあ、消せ、消せ、悪火を消せ、悪火を消せ。ええ、埒あかぬ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
向ひて唱ふ。) 「鎮まれ。親しき一大。」 (人々に。) まあ、こん度は一滴の業火で済みました。 ジイベル これはなんだ。待て。只では済まんぞ。 全体....