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「業苦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

業苦の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
にその甥の顔をした、不思議な瘡《かさ》が現われて、昼も夜も骨を刻《けず》るような業苦《ごうく》に悩んで居りましたが、あの沙門の加持《かじ》を受けますと、見る間に....
十円札」より 著者:芥川竜之介
ってしまった。彼は毎日無感激にこの退屈そのものに似た断崖の下を歩いている。地獄の業苦《ごうく》を受くることは必ずしも我々の悲劇ではない。我々の悲劇は地獄の業苦を....
道祖問答」より 著者:芥川竜之介
云う意《こころ》じゃ。己が肉身は、三身即一の本覚如来《ほんがくにょらい》、煩悩|業苦《ごうく》の三道は、法身般若外脱《ほっしんはんにゃげだつ》の三徳、娑婆《しゃ....
冬日記」より 著者:原民喜
、それでも、そこへ強《し》いてゆくものが、たしかにあった。彼の安静な、そしてまた業苦多い、孤独の三昧境《さんまいきょう》は既にこの二三年前から内からも外からも少....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
として姿を消していた秋山八郎君は、その後転々として流転の生活を送った末、病苦と失業苦にうらぶれた身を横たえたのが東成区北生野町一丁目ボタン製造業古谷新六氏方、昨....
」より 著者:織田作之助
して街へ出て行くのだが、町へ出るにはどうしてもその道を通らねばならないと思うと、業苦を背負ったように憂欝になってしまう。原っぱはいつもそこにあり、池はいつもそこ....
活人形」より 著者:泉鏡花
、人形室に引入れられて亡き母の存生りし日を思い出し、下枝は涙さしぐみぬ。さはあれ業苦の浮世を遁れ、天堂に在す御傍へ行くと思えば殺さるる生命はさらさら惜からじと、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
義貞は内侍のことばをあやしんだ。内裏も火宅同様とは。 煩悩の炎、その中での業苦遁れ難い人間の三界|住居。――それが仏典でいう「火宅」と彼は承知している。 ....