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楯
「楯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
たない顔に、一脈の殺気を浮かべながら、すばやく道ばたの築土《ついじ》のこわれを小
楯《こだて》にとって、身がまえた。――
やがて敵と味方は、見る見るうちに一つに....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
なかった。彼は6と言うアラビア数字に教員室中の冷笑を感じた。実際又教師の操行点を
楯《たて》に彼を嘲《あざけ》っているのは事実だった。彼の成績はこの六点の為にいつ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
嫌《だいおきら》いでございましたから、大殿様の御所業《ごしょぎょう》に向っても、
楯《たて》を御つきになどなった事は、ほとんど一度もございません。ただ、その度に皮....
「河童」より 著者:芥川竜之介
すさまじくかがやかせていました。僕は――僕ももちろん危険を避けるためにトックを小
楯《こだて》にとっていたものです。が、やはり好奇心に駆られ、熱心にマッグと話しつ....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
魔術などを教わった、苦心の甲斐《かい》があるのでしょう。そう思うと私は矢《や》も
楯《たて》もたまらなくなって、そっと魔術を使いながら、決闘でもするような勢いで、....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
、どんなに苦しい事があっても、手もとへ引き取って養育したい。」――そう思うと矢も
楯《たて》もたまらないような気がしたのでしょう。女はすぐさま汽車に乗って、懐しい....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
見せてもらうように頼みました。しかし何度頼んでみても、小厮は主人の留守《るす》を
楯《たて》に、頑《がん》として奥へ通しません。いや、しまいには門を鎖《とざ》した....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
この困難を痛嘆している。
「七月×日 俺の大敵は常子である。俺は文化生活の必要を
楯《たて》に、たった一つの日本間《にほんま》をもとうとう西洋間《せいようま》にし....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
と同時に、新蔵はたちまちお島婆さんの青んぶくれの顔を思い出しましたから、もう矢も
楯もたまりません。いきなり切符を車掌へ渡すと、仕事を仕損じた掏摸《すり》より早く....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
せた娼婦たちもいた事であろう。あるいはまた、羅馬《ロオマ》の兵卒たちの持っている
楯《たて》が、右からも左からも、眩《まばゆ》く暑い日の光を照りかえしていたかも知....
「或る女」より 著者:有島武郎
めいているのを葉子は聞き知っていたから、ふだんならば一も二もなく父をかばって母に
楯《たて》をつくべきところを、素直《すなお》に母のするとおりになって、葉子は母と....
「或る女」より 著者:有島武郎
復したようになって、すぐ跳《おど》り出して来るいたずら心のままに、一本の桜の木を
楯《たて》に倉地をやり過ごしておいて、後ろから静かに近づいて手と手とが触れ合わん....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
り近所の小作人に対して二言目には喧嘩面《けんかづら》を見せたが六尺ゆたかの彼れに
楯《たて》つくものは一人もなかった。佐藤なんぞは彼れの姿を見るとこそこそと姿を隠....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
かって、いろいろお話を承り、又お力添を願わねばならぬ……。』――そう考えると矢も
楯もたまらぬようになり、とうとうその旨を竜宮界にお願いすると、竜宮界でも大そう歓....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
的均衡が覆されて居るのは、甚だ危険である。平静と沈着とは、悪魔を防ぐ為めの大切な
楯で、一たんそれに隙間ができれば、未発達な悪霊どもが、洪水の如くそこから浸入する....