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「極めて〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

極めての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
。第二にその後ろ姿は伝吉の心に描《えが》いていたよりもずっと憔悴《しょうすい》を極めていた。伝吉はほとんど一瞬間人違いではないかと云う疑いさえ抱いた。しかしもう....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
が御依頼通りになりかねるという彼の返事は、むしろ彼としては、鄭重《ていちょう》を極めていた。すると、折り返して来た手紙には、始めからしまいまで猛烈な非難の文句の....
」より 著者:芥川竜之介
より強くこの弟子の僧の同情を動かしたのであろう。弟子の僧は、内供の予期通り、口を極めて、この法を試みる事を勧め出した。そうして、内供自身もまた、その予期通り、結....
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
まい》である。 曖昧と云えば浪の向うも靄《もや》のおりているせいか、甚だ曖昧を極めている。僕は長椅子に寝ころんだまま、その朦朧《もうろう》と煙《けぶ》った奥に....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
御造りになったものでございますから、御規模こそさのみ大きくなくっても、その荘厳を極めて居りました事は、ほぼ御推察が参るでございましょう。 別してその御堂供養《....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
関の方へ急ぎました。この時の私の心もちは、私自身さえ意識出来なかったほど、混乱を極めていたのでしょう。私はただ、私の俥《くるま》が両国橋《りょうごくばし》の上を....
」より 著者:芥川竜之介
彼を慰めるものはまだ全然ない訣《わけ》ではなかった。それは叔父さんの娘に対する、極めて純粋な恋愛だった。彼は彼の恋愛を僕にも一度も話したことはなかった。が、ある....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
字架形《じゅうじかがた》の瓔珞《ようらく》も、金と青貝とを象嵌《ぞうがん》した、極めて精巧な細工《さいく》らしい。その上顔は美しい牙彫《げぼり》で、しかも唇には....
」より 著者:芥川竜之介
く事は歌骨牌をとるごとく敏捷で、金を借り倒す事は薩摩琵琶をうたうごとく勇壮活溌を極めている。それが黒い鍔広《つばびろ》の帽子をかぶって、安物《やすもの》らしい猟....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。六年の間苦行した所以《ゆえん》は勿論《もちろん》王城の生活の豪奢《ごうしゃ》を極めていた祟《たた》りであろう。その証拠にはナザレの大工の子は、四十日の断食しか....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
《ことば》を交えないほど、憂鬱になった事もございましたが、近年は発作《ほっさ》も極めて稀になり、気象も以前に比べれば、余程快活になって参りました。所が、昨年の秋....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ん》、ちゃんと具えつけてあるからである。 わたしは半三郎の家庭生活は平々凡々を極めていると言った。実際その通りに違いない。彼はただ常子と一しょに飯を食ったり、....
格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
である。尤も本来の喜劇的精神は人を欺くことがあるかも知れない。が、己を欺くことは極めて稀にしかない人である。 のみならず、又宇野浩二は喜劇的精神を発揮しないに....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
後の夜にその男が弾をこめたピストルを傍らに置いて書き綴った手記である。私はこれを極めて興味あるものだと思う。絶望の果てに決行されるこうした行為の裏面に、世間の人....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
モンドのその如く」 と、美しい筆致で描かれてある。 ファラデーは結婚後、家庭が極めて幸福だったので、仕事にますます精が出るばかりであった。前記の市科学会はもは....