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極北
「極北〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
極北の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
、千島|甘菜《あまか》、得撫草《うるっぷそう》、色丹草《しこたんそう》など、帝国
極北の地に生える美しいのが、錦の如く咲くのもこの山で、雪が白馬の奔《はし》る形を....
「火の鳥」より 著者:太宰治
べてを女体として扱う疲れ果てた好色が、一群の男たちの間に流行していた。そのような
極北の情慾は、謂《い》わばあの虚無ではないのか。しかもニヒルには、浅いも深いも無....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
うな吹雪の合間合間に、しだいに遠ざかってゆく鈴の音、犬の声。 行ってしまった。
極北の神秘「|冥路の国」は実在せり! エ・ツーカ・シューは死体のまま橇を駆り、晦....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る水晶にも宿る紫、波の花にも初秋の空の雲にも山の雪野の霜にも大理石にも樺の膚にも
極北の熊の衣にもなるさま/″\の白、数え立つれば際限は無い。色と云う色、皆好きで....
「カメラをさげて」より 著者:寺田寅彦
技師がうっかり一枚のフィルムに二度写しをやったために、平凡な無事な飛行機の幽霊が
極北の氷上に出現したことになったのだそうである。われわれの記憶にはこんな失策は有....
「北氷洋の氷の割れる音」より 著者:寺田寅彦
イヤーに際会してソビエト政府は都合八組の観測隊を北氷洋に派遣した。その中の数隊は
極北の島々にそれぞれの観測所を設けて地磁気や気象の観測をしたり、あるいは火薬の爆....
「空想日録」より 著者:寺田寅彦
に東京の動物園に現われ檻の前の立て札には「従来捕獲されたる白熊の中にて最高緯度の
極北において捕獲されたるものなり」といったような説明書がつくことであろう。そのこ....
「沈没男」より 著者:海野十三
のであるが、それは彼の容れるところとならず、わざわざ北方スコットランドのそのまた
極北のはなれ小島であるオークニー群島へ送りこまれたのは、甚だ心外であった。このス....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
た沙漠がなみうつ沃野にかえられ くだかれた山裾を輝く運河が通い 人工の太陽のもと
極北の不毛の地にも きららかな黄金の都市がつくられるのをゆめみる、 働くものの憩....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
くにも、知れ渡ってしまった。誰にもまして、この実現された奇跡に心をうたれたのは、
極北のオブドルスクの、小さな修道院から、『聖シリヴェストル』の使いで、つい昨日こ....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
島オンネコタン島近海で、白昼公然とラッコやオットセイを密猟した。それから、日本の
極北パラムシロ島近海へ往って、何食わぬ顔で、日本の漁船から、紅鮭をうんと買込んで....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
らね。まあ、つながれている、となかいに、きいてごらんなさい。」 *ヨーロッパ洲の
極北、スカンジナビア半島の北東部、四〇万平方キロ一帯の寒い土地。遊牧民のラップ人....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
し、その情景からは、なんともいえぬ悲哀な感銘が眼を打ってくるのだった。海も丘も、
極北の夏の夜を思わせるような、どんよりした蒼鉛一味に染め出されていて、その一団の....
「矢田津世子宛書簡」より 著者:坂口安吾
(存在そのものの、と言うよりほかに今のところは仕方がないのですが)を知性によって
極北へおしつめてみようとしているのです。この小説が終ったら、僕の生活に飛躍がくる....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ちろん、一根の草をも生ぜず、まことに裸体山なり。ただ残雪の斑文をなすを見るのみ。
極北の山にしてなおかくのごとし。堆石巌々たるは、ひとり南山に限るにあらず、これよ....