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極寒
「極寒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
極寒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
る。或は我我の快不快である。そうとしかわたしには考えられない。
ではなぜ我我は
極寒の天にも、将《まさ》に溺《おぼ》れんとする幼児を見る時、進んで水に入るのであ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ヤ号のような砕氷船が百隻揃って北氷洋や南氷洋に出動したと考えて見給え。そうなると
極寒の海に俄然常春が訪れるじゃないか、漁業や交通やその他いろいろの事業に関して…....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
て張扇で鼻の下からハネ上げて鼻血を出させたりしたという話である。しかもそれが冬の
極寒の時であったというから随分辛かったであろう。むろんその鼻血ぐらいの事で稽古中....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
艇長ゲーナー少佐が救助されたけっかはっきりした。 空間漂流器に身体をまかせて、
極寒のまっくらな空間をあてもなくただよっていた六号艇の乗組員たちは、六名の犠牲者....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
、あと一日で、めざす極地の新フリスコ港に入るのはむずかしくなった。 なにしろ、
極寒の地帯における吹雪ときたら、そのものすごいことは、ちょっと形容のことばが見つ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
で抱いたのである。が、由来|宿業として情と仇と手のうらかえす雪女郎は、東雲の頃の
極寒に、その気色たちまち変って、拳を上げて、戸を煽り、廂を鼓き、褄を飛ばして棟を....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
地獄には誰でも知っている通り、剣の山や血の池の外にも、焦熱地獄という焔の谷や
極寒地獄という氷の海が、真暗な空の下に並んでいます。鬼どもはそういう地獄の中へ、....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
それからもう一つ、当日|手洗場の水が凍りついていたが、その朝は東京地方は稀な
極寒だったので、その為に凍ったのだと、婆やが説明し、誰もその説明で満足したが、考....
「山の春」より 著者:高村光太郎
〇度程度の寒さはすくなくなり、屋根からは急にツララがさかんにぶらさがる。ツララは
極寒の頃にはあまり出来ず、春さきになって大きなのが下る。ツララは寒さのしるしでな....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
に腰かけながら新聞を見ている疑問の女へじっとその眼をやったものである。 十二月
極寒の西伯里を、巨大なインターナショナル・ツレーンは、吹きつける吹雪を突き破り百....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
発した。 浜にそうて岩壁をよじ、川をさかのぼりて森にいる。ひいらぎバーベリ等の
極寒地方に生ずる灌木は、いやがうえに密生して、荊棘路をふさいでは、うさぎの足もい....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、世界中において南北に延長せる最長国たり。山岳の多くして平地に乏しきこと、極熱と
極寒の両端を有する等は日本に同じ。しかして、南部は一年間に十三月降雨すと呼ばるる....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
船。 「大きいぞ。」と声がかかる。 と、たちまち、船影は消えて、一面の氷結した
極寒の海峡が真白く、白く、暗い影の底から遥かに遥かに光る。輝く。寒い寒い雲だ。あ....
「学問ある蛙の話」より 著者:知里真志保
面的な心理はまさに正反対である。しかもそういう心理は恐らく北方の氷をとかして使う
極寒の地に永く住み侘びた民族にして始めて可能だと考えられるから、それを以てアイヌ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
有の色の波が、電光の如く閃々と虚空に入り乱れて、無数の縦谷に鏤められた大雪渓は、
極寒の水で洗い上げた銀の延べ板のように輝いている。大気の動揺はやがて私の心の動揺....