極暑[語句情報] » 極暑

「極暑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

極暑の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
真中に小さな餉台《ちゃぶだい》を据えてその上で朝から夕方までノートを書いた。丁度極暑の頃だったので、身体《からだ》の強くない彼は、よく仰向《あおむけ》になってば....
三四郎」より 著者:夏目漱石
門のそばへ来た時、三四郎は、 「君、今ごろでも薄いリボンをかけるものかな。あれは極暑《ごくしょ》に限るんじゃないか」と聞いた。与次郎はアハハハと笑って、 「○○....
雪の白峰」より 著者:小島烏水
十九日)と物思わせることもある、真夏の夕暮に、下のようなハガキも、舞い込んだ。「極暑九十七度九分、山々に未だ雪あるに呆れ候、一昨夕、稀なる夕映、望遠鏡にて西山一....
十二支考」より 著者:南方熊楠
かくかようの譚は、瓔珞蛇《ダボヤ》など好んで睡る爬虫に基づいたであろう。熱帯地で極暑やや寒き地で、冬中|※《がく》は蟄伏する(フムボルト『回帰線内墨州紀行《トラ....
春昼」より 著者:泉鏡花
りますから、唯々、かのな、婦人との模様だけ、お物語りしましょうで。 一日晩方、極暑のみぎりでありました。浜の散歩から返ってござって、(和尚さん、些と海へ行って....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
の有名なる大一座が、この土地に七日間の興行して、全市の湧くがごとき人気を博した。極暑の、旱というのに、たといいかなる人気にせよ、湧くの、煮えるのなどは、口にする....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
どちらへお越しになるんで。」 「いささかこの辺へ用事があっての。当年たった一度、極暑の砌参ったばかり、一向に覚束ない。その節通りがかりに見ました、大な学校を当に....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
あろう事か、朝酒を煽りつけた勢で、通しの夜汽車で、疲れたのを顧みず――時も八月、極暑に、矢声を掛けて駆昇った事がある。…… 呼吸が切れ、目が眩むと、あたかも三....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の通を、舟が漕ぎ、帆が走る…… ――や、あの時にそっくりだ。そうだ、しかも八月極暑よ。去んぬる年、一葉女史を、福山町の魔窟に訪ねたと同じ雑誌社の用向きで、中洲....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら。ああ、つまらない! ああ、無意味と索漠を極めた旅というものよ! わたしは、極暑のうん気の中に、巣鴨の伝中の化物屋敷の古土蔵の中を閉めきって、針で指を刺した....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
ながら判事は徒然に茶店の婆さんに話しかける。 十二社あたりへ客の寄るのは、夏も極暑の節|一盛で、やがて初冬にもなれば、上の社の森の中で狐が鳴こうという場所柄の....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
たように、青く、藍に、群青になりました。 この山の上なる峠の茶屋を思い出す――極暑、病気のため、俥で越えて、故郷へ帰る道すがら、その茶屋で休んだ時の事です。門....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
ながら、これも西洋人の風なりとて無理に了簡《りょうけん》を取り直して銭を奮発し、極暑の晩景《ばんけい》、浴後には浴衣《ゆかた》に団扇《うちわ》と思えども、西洋人....
活人形」より 著者:泉鏡花
。」 まことや泰助が一期の失策、平常のごとく化粧して頬の三日月は塗抹居たれど、極暑の時節なりければ、絵具汗のために流れ落ちて、創の露れしに心着かず、大事の前に....