極月[語句情報] »
極月
「極月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
極月の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ると、内蔵助の心には、安らかな満足の情が、今更のようにあふれて来た。丁度、去年の
極月《ごくげつ》十五日に、亡君の讐《あだ》を復して、泉岳寺《せんがくじ》へ引上げ....
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
置き位に出て袖乞を致しまするも唯養父を助けたい一心で、恥しいのも寒いのも打忘れて
極月《ごくげつ》ヒュー/\風の吹きまするのをも厭《いと》わず深更《しんこう》にな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 前回には
極月《ごくげつ》十三日の訪問記をかいたが、十二月十四日についても、一つの思い出が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一
極月《ごくげつ》の十三日――
極月などという言葉はこのごろ流行らないが、この話は極....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
して、嫡男甲斐守輝綱(此時十八)以下従士千三百を率いて西下したのは、寛永十四年|
極月二十八日であった。副使は美濃大垣の城主戸田左門|氏鉄(此時年六十一)。明けて....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
なあ。……それはそうとここはどこだ?」 四辺《あたり》を見廻わすと小梅田圃で、
極月十日の星月夜の中に、藪や林が立っている。 二 「これは驚いた....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
テ西航六十有余日。 信神渡航者ガぷりもすニ到リ着セル時ハ、北米ノ天ハ寒威猛烈ナル
極月ノ、シカモ三十日ナリキ。彼等ノ胸臆ハ火ノ如ク燃エシカド、周囲ノ天地ハ満目荒涼....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
る。 病んでさへおればひまなり菊の晴れ せん女 鈴虫や疾は疾我生きん 同
極月や何やらゆめ見病みどほし 同 病みながら松の内なるわが調度 同 病....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
ます」 そこで矢来は取り払われ波|平かの浪華の海、住吉の入江が見渡された。頃は
極月二十日の午後、暖国のこととて日射し暖かに、白砂青松相映じ、心ゆくばかりの景色....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
高かったそうだ。 本郷追分で駕籠を下りた頃にはとうに初夜を過ごしていた。季節は
極月にはいったばかり、月も星もない闇の夜で雪催いの秩父|颪がビューッと横なぐりに....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
用提灯が消えるに連れて呼び合う声も遠ざかり、やがて全くひっそりとなり、寛永五年|
極月の夜は再び静けさを取り返した。 河岸の此方の川口町には材木問屋ばかり並んで....
「月日の話」より 著者:坂口安吾
見ると、大変奇妙に思われることが多い。 たとえば、義士の討入はころは元禄十四年
極月(十二月)十四日とナニワ節にうたわれていることはたれも知る通りである。 け....
「魔都」より 著者:久生十蘭
の嬌態の事
甲戌《きのえいぬ》の歳も押詰って、今日は一年のドンじりという
極月《ごくげつ》の卅一日、電飾眩ゆい東京会館の大玄関から、一種慨然たる面持で立ち....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
みられなかったものである……その下にさがった活動写真のビラも、折からの曇った空、
極月のその曇りぬいた空を、一層暗く、一層|味気なく、一層身にしむものにするのに十....