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「極貧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

極貧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
から足の爪先まで、軽蔑されている。小説家は悪魔だ! 嘘つきだ! 貧乏でもないのに極貧の振りをしている。立派な顔をしている癖に、醜貌だなんて言って同情を集めている....
花火」より 著者:太宰治
就いては、三つの原因が考えられる。生活に於いて何不足なく、ゆたかに育った青年は、極貧の家に生れて何もかも自力で処理して立っている青年を、ほとんど本能的に畏怖して....
風の便り」より 著者:太宰治
の車夫の溜《たま》りで、文字どおり「むさぼり食う」ように読みました。私は、自分が極貧の家に生れて、しかも学歴は高等小学校を卒業したばかりで、あなたが大金持の(こ....
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
の百分率で、その統計によると肺結核で死んだ人間百人についてそのうちの九十人以上は極貧者、上流階級の人間はそのうちの一人にはまだ足りないという統計であった。勿論こ....
食魔」より 著者:岡本かの子
なった桜痴居士福地源一郎の生活態度を聞知っていた。この旗本出で江戸っ子の作者は、極貧の中に在って客に食事を供するときには家の粗末な惣菜のものにしろ、これを必ず一....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
・サイドへ出掛けていった。 そこは、二十七か国語が話されるという、人種の坩堝。極貧、小犯罪、失業者の巣。いかに、救世軍声を嗄らせどイースト・リヴァの澄まぬかぎ....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
を得て、その大半は酒にして、春の桜も秋の紅葉も何が何やら、見えぬ聞えぬ無我夢中の極貧の火の車のその日暮しを続けていた。春の桜や秋の紅葉には面をそむけて生きても行....
水仙」より 著者:太宰治
、ひがみ根性の強い男らしい。ことに、八年前ある事情で生家から離れ、自分ひとりで、極貧に近いその日暮しをはじめるようになってからは、いっそう、ひがみも強くなった様....
映画芸術」より 著者:寺田寅彦
画の言葉」すなわち、これに相当する視覚的な影像に翻訳しなければならない。たとえば極貧を現わすために水道の止まった流しに猫の眠っている画面を出すとか、放免された囚....
省察」より 著者:デカルトルネ
おそらく私を誰か狂った者に、その脳が黒い胆汁からの頑固な蒸気でかき乱されていて、極貧であるのに自分は帝王であるとか、赤裸であるのに緋衣を纒うているとか、粘土製の....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
彼らの必竟不了見なる両親の食いものとして犠牲に供せられるのである。またある父兄は極貧饑に迫る境遇でありながら、我が子を小僧見習に出すのをこの上なき恥辱と心得てい....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
のである。従ってこの部類の下には、一切の不健康な職業、過酷な労働や寒暑への暴露、極貧、子供の養育不十分、大都市、あらゆる種類の不節制、一切の普通の病気や伝染病、....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
によりもっとも困窮する時期は、一般に、収穫前の約二箇月である。そしてこの時には、極貧の家人《ハウスマン》でも一般に二、三頭は有ち多くの者は五、六頭を有っている牝....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の慣習が全然両親にまかされる時にほとんどあまねく人口を増加する傾向のあることは、極貧から生ずる困窮が両親の感受性を大部分消失せしめた時ですらかかる犠牲を払うとき....
墓場」より 著者:西尾正
つぎのあたったスウエタア、穴のあいた白ズックの短靴など、外国人にしては、服装も至極貧相であった。日本へ来た動機などをたずねると、 「問われるを欲しない理由で」 ....