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楽句
「楽句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楽句の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
やその原稿を読み返すこともしかねた。なぜなら、自分の独創になったものだと信じてる
楽句の中に、他の作曲家らの手になった断片が、むりやりにどうかこうか綴《つづ》り合....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
リストフに言った。
彼は音楽的観念に浸透されていた。その観念は、独立した完全な
楽句の形をなしてることもあったが、多くは、一つの作品全部を包み込む大きな星雲の形....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
前にどこで読んだのかしら……」とみずから尋ねようとばかりしてるらしかった。他人の
楽句をつぎ合わして時間を過ごすような音楽家が、世には――ことにドイツには――かな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
》な静穏さを、内気なやさしい微笑を。しかし、その曲の終わりに近づいて、切ない恋の
楽句が高まって砕ける頂点に達すると、オリヴィエは堪えがたい羞恥《しゅうち》を感じ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の非凡な時や平凡な時を、僕のために書いてくれたまえ。そして、もっとも明快な旋律的
楽句を求めようではないか。現代の多くの音楽家の音楽に見るような、一階級だけの方言....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。どの音も同じようだった。どこにも抑揚がなかった。楽譜のページをめくるときには、
楽句のまん中であろうと冷やかにひきやめ、少しも急ごうとせず、そしてつぎの音をひき....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
が、幾時間もピアノをかき鳴らしていた。彼女はただ一つの楽曲きり知らなかった。同じ
楽句を飽くことなく繰り返していた。彼女にはそれがたいへん楽しみだった。それらの楽....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
カオルは、はだしで部屋のなかを歩きまわりながら、リズムも音節も無視した無形式の
楽句を、ぞっとするようないい音色で弾きだした。 しばらくは、弾くことだけに熱中....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
が》えてみようとするだけで、もう何も考えなくなってしまった。それでも彼は、やはり
楽句《がっく》(楽曲の一節)を組みたてようとりきんでいた。そして音楽の天分《てん....