楽堂[語句情報] »
楽堂
「楽堂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楽堂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
見ても、余程、酔っているらしい。踊は勿論、出たらめである。ただ、いい加減に、お神
楽堂の上の莫迦のような身ぶりだとか、手つきだとかを、繰返しているのにすぎない。そ....
「或る女」より 著者:有島武郎
た広い道の奥からは、能楽《のうがく》のはやしの音がゆかしげにもれて来た。二人は能
楽堂での能の催しが終わりに近づいているのを知った。同時にそんな事を見たのでその日....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
のンいやだけど、兄ちゃんと一緒だったら、いいわ」 高台寺の道を抜けて、円山の音
楽堂の横を交番の近くまで来た時、京吉は石段下の方から登って来た若い女の姿を見て、....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
なかには私の同級生で、金のあった人はそればかりでは満足しないで、あるいは学校に音
楽堂を寄附するもあり、あるいは書籍館を寄附するもあり、あるいは運動場を寄附するも....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
うと云うのであった。 母屋に近い藤棚のついた二間打ち抜きの部屋と一番|端れの神
楽堂のような建て前の棟はもう借手がついていた。真中の極普通な割り合いに上品な一棟....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
のわたしには格別の興味を与えなかったが、本社を拝して横手の広場に出ると、大きな神
楽堂には笛と太鼓の音が乱れてきこえた。 「面白そうだ。行って見よう。」 同行の....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
。 2 「オイ房子」 「なによォー」 「どうだ、今夜は日比谷公園の新音
楽堂とかいうところへいってみようか。軍楽隊の演奏があってたいへんいいということだ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
らっしゃい」 強情なキッティはその優美な小さい頭を空中に飛び上がらせながら、音
楽堂の方向へ馬を駈けさせた。あとで彼女自身も言っていたが、馬を駈けさせながらも、....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
暖かい夜風、咽るような花の香、春蘭の咲く季節であった。噴水はすでに眠っていた。音
楽堂には燈がなかった。日曜の晩でないからであった。公園には誰もいなかった。ひっそ....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
れも息を潜めて瞻視ている。 やがて時計の長短針が一つになって十二時を指すと、音
楽堂の上から一発の砲声が轟いた。と思うと大鷲のごとく両翼を拡げた飛行船は徐々に上....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
明けたので、そうでなければ、君は黙って、美人の手紙に誘惑されて今夜一人で公園の音
楽堂へ行ったに相違ないよ。全く今日の君の様子は、変梃と云わざるを得なかったよ。蛮....
「神経」より 著者:織田作之助
たが、紹介の放送員はさすがに戦争中と異った型を出そうとしたらしく、「ここ何々の音
楽堂の上の青空には、赤トンボが一匹スイスイと飛んでおりまして、まことに野外音楽会....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
くて少女は恋の獲物を失います。 過去の恋をなつかしむあまり、恋の記念に造った音
楽堂は、対岸の絶壁の上に立てられ、悲劇はその堂内で演じられます。譬えその悲劇が諸....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
えた立派な豪傑な爺だそうですが、旦那とは謡の方で、築地の宝生の師匠の宅ね、あの能
楽堂などで懇意になってるんだって謂いましたよ。大層な雛だというが、どれどれと押上....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
景色を言う場合でない。 表入口を、松原|越の南の町並に受けて、小高く、ここに能
楽堂がある。八郎は稚い時、よく出入をして知っているので、その六方石を私に教えよう....