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「楽屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

楽屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
《つり》ランプの下に、白い鉢巻をした男が、長い抜き身を振りまわしていた。そうして楽屋《がくや》からは朗々と、「踏み破る千山万岳の煙」とか云う、詩をうたう声が起っ....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
白糸が姿なり。 渠はこの夜の演芸を※《お》わりしのち、連日の疲労一時に発して、楽屋の涼しき所に交睫《まどろ》みたりき。一座の連中は早くも荷物を取|纏《まと》め....
美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
つて、しん粉細工をはじめるのである。普通、植木鉢に数本の枝を差しておき、それへ、楽屋の三味線に合せてしん粉で造つた花や葉をべた/\くつゝけて行くのである。が、こ....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
のような触感で衝いた。 あの世話方の顔と重って、五六人、揚幕から。切戸口にも、楽屋の頭が覗いたが、ただ目鼻のある茸になって、いかんともなし得ない。その二三秒時....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
ょ、と猪首に小児を背負って、唄も唄わず、肩、背を揺る。他は皆、茄子の蔓に蛙の子。楽屋――その塀の中で、またカチカチと鳴った。 処へ、通から、ばらばらと駈けて来....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
桟敷裏を折曲げて、縦に突立てたように――芸妓の温習にして見れば、――客の中なり、楽屋うちなり、裙模様を着けた草、櫛さした木の葉の二枚三枚は、廊下へちらちらとこぼ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
さいまして、――「辻町のやつ、まだ単行が出来ないんだ。一冊|纏ったもののように、楽屋|中で祝ってやろう。筆を下さい。」――この硯箱を。」 「ちょいと、一度これを....
」より 著者:池谷信三郎
彼女はもう結婚しているのではないかしら? すると、今度は暗い露路に面した劇場の楽屋口が、その部屋の情景にかぶさってダブってきた。――そこをこっそり出てくるシイ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
、 「はい、これを。」 と大きく言いて、紙包にしたる菓子をわが手に渡しつ。 「楽屋から差上げます。や、も、皆大喜び、数ならぬ私まで、はははは。何てッてこれ坊ち....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
二連の富田砂燕という人がいた。この人の前には梅素玄魚という人がいた。後にこの人は楽屋白粉というものをつくって売り出すような事をしたものである。 話が前後したが....
多神教」より 著者:泉鏡花
な斟酌には決して及ばぬ。料理|方が摺鉢俎板を引くりかえしたとは違うでの、催ものの楽屋はまた一興じゃよ。時に日もかげって参ったし、大分寒うもなって来た。――おお沢....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
料簡方のものでない。一回五六枚も書いて、まだ推敲にあらずして横に拡った時もある。楽屋落ちのようだが、横に拡がるというのは森田先生の金言で、文章は横に拡がらねばな....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
(――すぐ、あとで、本郷座の前茶屋へ顔を出しますから――) 花柳界の総見で、楽屋は混雑の最中、おいでを願ってはかえって失礼。お送りをいたすはずですが、ちょう....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ははは、真面目になるな、真面目になるな、ぐッとまた一杯景気をつけて、さあ、此方方楽屋|内となって考えると面白い、馬鹿に気に入った、痛快ということだ。」 金之助....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ていますで、諸国一見の僧になりゃ、ワキヅレぐらいは勤まろうが、実は私、狂言方だ。楽屋で囃子の音がすれば、もう引込んで可い時分。フト気が着いたのは、悪くすると、こ....