楽屋入り[語句情報] » 楽屋入り

「楽屋入り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

楽屋入りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
は、三左衛門は小屋のほうか」 「へえい、朝の四ツから幕があきますんで、もうとうに楽屋入りしたんでござります」 「荷造りしているところをみると、今晩もまたどこかへ....
世相」より 著者:織田作之助
四日間も溝の中で転がっていたんだが、それと知らぬレヴュガールがその溝の上を通って楽屋入りをしていたんだ。娘にとっては本望……」 「また殺人事件ですか」呆れていた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も休みの役者がある。座頭の小三も気を腐らして、血の道が起こったとか云って、これも楽屋入りをしねえ。そんなわけで芝居はわやになってしまって、ともかくもきょうは休み....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
」 「あら、そんなことしませんよ。」 化粧がすむと着物を着かえて、まるで女優の楽屋入りみたいな姿で、自身で見しりの客の座敷へ現われるのであった。座敷を一つ二つ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
円や百五十円は持って行かなければ、自分をアテにし切っている小池に合わす顔がない。楽屋入りは三時である。などと思うと、欲しい玩具を買ってもらえない子供のようにかり....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
進の方へ身を寄せたが、 「いらっしゃいまし、妾の部屋へ」 裏舞台へ入り込んだ。楽屋入りをする道程に、扇女は鉄之進を助けたのであるが、たしかもう一人扇女のために....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
その道の並木の下には十六七の娘たちが三々五々、またエンエンと勢ぞろいしてスターの楽屋入りを待っている。これこそは難民であろう。つまり宝塚の生徒は十重廿重にとりま....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
る八ツから七ツまでの時刻には、毎日寺島の寮で父親の看病をしておりまして、そこから楽屋入りをしておりますような次第。その時刻にわたくしが寮におりましたことは、大勢....
夜の構図」より 著者:織田作之助
えないんで……」 「今、持ってませんけど……明日楽屋へ持って来てあげますわ」 「楽屋入りは何時……?」 「三時……」 「三時……か。三時までマッチが手にはいらぬ....
小説 円朝」より 著者:正岡容
ている思いで、いつ迄もいつ迄もその前を立ち去ることができなかった。 ねがわくば楽屋入りなんか止しにしてしまって、ひと晩中この寄席の前へ立ったまんま、ジーッとこ....
円朝花火」より 著者:正岡容
いやあしめえし、紫の鉢巻をだらりとして、弟子の肩へつかまって、しゃなりしゃなりと楽屋入りをしやがるたあ、なんてえチョボ一だ。そんなにまでして人気がとりてえという....
初看板」より 著者:正岡容
して無給金かというと、もともと、お客が十五人か二十人しか来ない。したがっててんで楽屋入りもないところから、ここは落語家の無料で出演する修業場所としてあったのです....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
、六三郎は急に怖くなって、一生懸命に自分の宿へ逃げて帰りました。 日が暮れて、楽屋入りの時刻が来たので、六三郎は一座の役者達と一緒に芝居小屋へ行きました。今夜....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
りゃあしませんかい。どうもわたしは、そんな気がしてならねえんだが――。」 いま楽屋入りして、騒動を聞いたばかりの、真打ちの軍談師伯朝だった。 古今の名人竹久....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
その他なほ楽屋裏の新道《しんみち》に編笠《あみがさ》深き若衆形《わかしゅがた》の楽屋入りを見せ、舞台のうしろに囃子方《はやしかた》腰かけて三味線|弾《ひ》きゐる....