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楽所
「楽所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楽所の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
粉《こ》か黴《かび》が着物にくっついていつまでも落ちないように感ぜられた。
雅
楽所の門内には俥《くるま》がたくさん並んでいた。馬車も一二台いた。しかし自動車は....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
琴手が手に楽譜帳を持って這入って来た。そして、あの高い書机の所へ上って、それを奏
楽所にした。そして、胃病患者が五十人も集ったように、げえげえ云う音を立てて調子を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
とうば》でありました。つまり、人間の生命《いのち》のぬけがらを納めた墓地という安
楽所の一角へ、思わずお銀様は足を踏み入れてしまったのです。 しかし、これは、あ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
間に用のなさそうな人影がちらほら動いて、「市役所」の感じはすこしもない。宛然「市
楽所」の空気だ。横へ出たところに植込みをめぐらしたあき地があって、雪のように真っ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
歌を詠進したのではなかったのかその日の歌はこれだけより書き置かれていない。 奏
楽所が遠くて、細かい楽音が聞き分けられないために、楽器が御前へ召された。兵部卿の....
「源氏物語」より 著者:紫式部
て紅葉の木蔭へはいって行く、こんなことが夜の闇に消されてしまうかと惜しまれた。奏
楽所などは大形に作ってはなくて、すぐに御前での管絃の合奏が始まった。御書所の役人....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
もちろん舞台の額縁は、オペラ風のただ広いものとなった。また、その下には、隠伏奏
楽所さえ設けられて、観客席も、列柱に囲まれた地紙形の桟敷になってしまった。これで....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
左ノ為定などたくさんな衣冠が居ながれていた。 御遊は終日におよび。 やがて、
楽所の御興には、右大臣|兼季の琵琶、権ノ大夫冬信の笛、源中納言|具行の笙、治部ノ....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
、公園や遊歩場というものを持たないわれ/\牛込区民や、麹町区一部の人々の好個の慰
楽所となるであろう。そしてそれが又わが神楽坂の繁栄を一段と増すであろうことは疑い....