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楽隠居
「楽隠居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楽隠居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
かく始末だったが、それでも幸に、僅な縁つづきから今ではこの料理屋に引きとられて、
楽隠居の身の上になっている。中洲の大将の話では、子供心にも忘れないのは、その頃盛....
「父帰る」より 著者:菊池寛
ははははは。 母 丑の年やけに、今年は五十八じゃ。家にじっとしておれば、もう
楽隠居をしている時分じゃがな。 (三人食事にかかる) 母 たねも、もう....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ら》しってもポール・レペルは多分此の家に住んで居ないでしょう、田舎へ地所を買い、
楽隠居として浮世の波風を知らずに暮らすは何ほどか気安い事でしょう」
述懐し了っ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たたんで一緒に遠いお国へ行きましたよ。なんでも御城下に一軒の家を持たせて貰って、
楽隠居のようなふうで世を終ったそうです。明治になって間もなく、その奥方も亡くなっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
売卜者などをしていたが、ひとり娘が容貌望みで砧村の豪家の嫁に貰われたので、今では
楽隠居のように暮らしているというのです。こいつ又、鍋久の二番目を出したなと思いな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の好い、不思議なくらいに水々しいお爺さんであった。養子に唐物商を開かせて、自分は
楽隠居でぶらぶら遊んでいた。わたしは或る機会から、この半七老人と懇意になって、赤....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
じめて、それがうまく繁昌して、今では大森の方へ別荘のようなものをこしらえて、まあ
楽隠居という体で気楽に暮しています。なに、わたくしと同じようだと仰しゃるか。どう....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
」 飯「どういう御病気で」 相「手前一人の娘でございますから、早くナ婿でも貰い、
楽隠居がしたいと思い、日頃信心|気のない私なれども、娘の病気を治そうと思い、夏と....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
を見て、石じゃ、と云うのでござりますよ。」 四 「それではお婆さん
楽隠居だ。孫子がさぞ大勢あんなさろうね。」 と小次郎法師は、話を聞き聞き、子産....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
を得たるのみならず、身体健康、且つ僅少なる養老費の貯えあり。此れを保有して空しく
楽隠居たる生活し、以て安逸を得て死を待つは、此れ人たるの本分たらざるを悟る事あり....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
い人物がいた。野草通作という中年の男である。高価な着物を着流しに、いかにも結構な
楽隠居という様子であるが、いかにも人品が下司である。女中のタケヤにきいてみた。 ....
「両面競牡丹」より 著者:酒井嘉七
お子供衆のお稽古は私がいたしていたのでございます。その内に、何時の間にか、母親は
楽隠居、そして、私が全部お稽古をいたす様になったのでございました。しかし、何分に....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
くして玉の輿、立身出世しようもしれぬ。そうなると差し詰めお前達夫婦は、左|団扇の
楽隠居、百姓なんか止めっちまってさっさと江戸へ出て来なさるがいい。何とそんなもの....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
ろうがな! いや、しかし年からいうと、今は役目を退いている筈だ。……与力あがりの
楽隠居。これだこれだこれに相違ない! どうだ大将、一言もあるまいがな」 武士は....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
あの女はよい辰といっているんです。それでも娘がいい旦那をつかまえているので、まあ
楽隠居のような訳だったのですが、その金箱が不意にこんなことになってしまっては、お....