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概念的
「概念的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
概念的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
えぬところであろう。文芸の上に階級意識がそう顕著に働くものではないという理窟は、
概念的には成り立つけれども、実際の歴史的事実を観察するものは、事実として、階級意....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
匂のうちに嗅ぐのであるといっている。薔薇の匂という一定不変のもの、万人に共通な類
概念的のものが現実として存するのではない。内容を異にした個々の匂があるのみである....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
お前に取って私以上に完全なものはない。そういったとて、その意味は、世の中の人が
概念的に案出する神や仏のように、完全であろうというのではない。お前が今まで、宗教....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
ですから、此所で手を引くのが当り前でした。しかしいつの間にやら私の興味はこういう
概念的なことよりも、細田氏という一個の人間を操ることの現実的興味に変じてしまって....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
に到達しました。そしてその粗雑さを克服するためにこのバルコニーへやって来て、私の
概念的な粗雑な断案を、加工し整理すべき新しい材料の拾収を始めました」 ここで喬....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
のに非常に性急です。それから、体力や精神力に全幅的な大きさが無い。従って一部分を
概念的に真似るに過ぎないんですね。」氏は斯う云い終ると少し疲れたようにひるすぎの....
「思い」より 著者:伊丹万作
であつて原因ではないようだ。問題は深刻である。中小商工業者の問題など、知識として
概念的には心得ていたが、いま自分自身が波の中に置かれた実感にくらべると、今まで何....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
来て 何やら、ゆかし。菫ぐさ」。これなどは確かに新しい開拓であった。「何やら」と
概念的に言う外に、表し方の発見せられなかった処に、仄かな生命に動きが見える。これ....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
て、三つにしたものか、普通人の二つ目に一つを加えてこしらえた、考案から成り立った
概念的なもの故、それはどうしても張り子のでくのような感じがともなう。まして、ろく....
「味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
、ものの吟味を注意深くするようになれば、料理のよしあしが語れるわけである。そこで
概念的に考えねばならぬことは、値段の安いものは概して下らぬものが多く、値段が高い....
「娘」より 著者:岡本かの子
ある。水の上であの男に感じる匂いや、神秘は何処へ消えるか、彼は二つ三つ水上の話を
概念的に話したあとは、額に苦労波を寄せて、忙しい日常生活の無味を語る。彼女に何か....
「人間性の深奥に立って」より 著者:小川未明
学校の修身書を一瞥してもすぐ分ることであるが、その並べられた題目と、其れに関する
概念的な口授式の教授ぶりとが、ほんとうの人間性の結晶と思っては大間違である。今日....
「新童話論」より 著者:小川未明
の感情に至るまで、また同じいとはいえなかったでありましょう。 それであるから、
概念的に、ただ海といっても、すべての子供達にぴったりと来るものでない。また、海と....
「料理する心」より 著者:北大路魯山人
、料理というものは、大体こんなものではないのかと思います点を、かいつまんで簡単に
概念的に申し上げ、ご参考に供したいと思っております。要するに、私の今日のお話は、....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
えない、和風の様式と洋風の材料が融合していず、色も不快で第一和風そのものの好みが
概念的で、少しも内からの美が見えない。 歌舞伎というものは江戸で生れ、江戸で栄....