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「榔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

榔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夢十夜」より 著者:夏目漱石
せていた。ところへ豚が一匹鼻を鳴らして来た。庄太郎は仕方なしに、持っていた細い檳樹《びんろうじゅ》の洋杖《ステッキ》で、豚の鼻頭《はなづら》を打《ぶ》った。豚....
河明り」より 著者:岡本かの子
きてしまって、そこから私たちはトロッコに乗せられた。箱車を押す半裸体の馬来人は檳子の実を噛んでいて、血の色の唾をちゅっちゅと枕木に吐いた。護謨園の事務所に着い....
連環記」より 著者:幸田露伴
ゆ、と申す。親王興に入りたまいて、さらば足下のは、と問わせたまうに、旧上達部の檳毛の車に駕りたるが、時に其声を聞くにも似たらん、と申した。長短高下をとかく申さ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
る。 まず市場。 果物市場。 パイナップルと青香|樒の雄大な山脈。檸檬・檳樹の実・汁を含んだ蕃爪樹・膚の白い巨大なココナッツ・椰子玉菜・多液性のマンゴス....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
ずん/\玄関口から案内もなくずうっと奥へ通り、粥河圖書の居ります二|間の大床の檳樹の大きな柱の前の処へぴったり坐って、体を据えました。これは若し乱暴でも仕掛け....
唖娘スバー」より 著者:タゴールラビンドラナート
食べます)の下に坐るのがきまりでした。プラタプは少し離れて、釣糸を垂れる。彼は檳子を少し持って来ました。スバーが、それを噛めるようにしてやる(印度人は、ビンロ....
南島譚」より 著者:中島敦
中にも妻のエビルの姿は見えない。彼は心重く己が家へと歩を運んだ。 ひょろ高い檳樹《びんろうじゅ》木立の下の敷石路をギラ・コシサンは、忍び足で灯の無い家に近附....
歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
量の瓦斯を吸収する性質がある、炭が臭気止めに使われるのはこのためである。近頃|檳子の炭を使って極寒まで冷した空気を吸わせ真空を作る事も発明された。また炭は溶液....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
庫を守る有尾人種(中) 二十八 私の見つけた果樹園には椰子や檳樹やパインアップルやバナナの大木が枝も撓わに半ば熟した果実をつけて地に垂れ下が....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
、おもむろに投薬を開始する。 侍医長がいちいち入念に毒見して医官に返す。まず檳子とタマリンドの果肉の煎汁に鼈甲の粉末をまぜた下剤を三カデックス(約三合)ほど....
環礁」より 著者:中島敦
。 煙草に火をつけながら、家の前の大きな平たい墓と、その周囲に立つ六、七本の檳《びんろう》の細い高い幹を眺める。パラオ人は――パラオ人ばかりではない。ポナペ....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
っぴきならないところを見せてやる」 と言いながら、象の腹のほうへ寄って行き、檳子塗《びんろうぬり》の腰刀を抜いて無造作にガリガリと胡粉を掻き落していたが、そ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ヤソ旧教にして、寺院にはすこぶる広壮なるものあり。草木は台湾南部に似て、芭蕉、檳および荊竹多し。また、水牛を用うることも台湾に同じ。小舟は木身竹屋より成り、竹....
古事記」より 著者:太安万侶
」と仰せられました。そこでお伴に遣された王たちが聞いて歡び、見て喜んで、御子を檳《あじまさ》の長穗《ながほ》の宮に御案内して、急使を奉つて天皇に奏上致しました....
無月物語」より 著者:久生十蘭
うという目的らしかった。予期されたように公子と花世もいっしょに行くことになり、檳毛《びろうげ》の車に乗って、まだ露のあるうちに邸の門を出た。犬養ノ善世は狩衣す....