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榻
「榻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
榻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
冠をいただいて黄色い袍《ほう》を着た男が酒に酔ったような顔をして、珠をちりばめた
榻《とう》に腰をかけていた。これが唐人の王様であろうと千枝松は推量した。王のそば....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
なものが三、四室ある。壁に沿うて床を設け、その床は綿に包まれている。※の妻は石の
榻の上に寝ていたが、畳をかさね、茵をかさねて、結構な食物がたくさんに列べてあった....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ていますので、お気の毒ですがお客人をお通し申すことが出来ません。ただ中堂に一つの
榻がありますから、それでよろしければお寝みください」 周はそこへ入れてもらいま....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
たが、最後の衛士は呉がここに涼んでいて行列の妨げをなしたのを怒ったらしく、その臥
榻の足をとって倒すと、
榻は石※をうがって地中にめり込んだ。衛士らはそれから他の宮....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
へ案内されました。奥の寝室は帷も衾も華麗をきわめたもので、一匹の年ふる大猿が石の
榻の上に横たわりながら唸っていると、そのそばには国色ともいうべき美女三人が控えて....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の門内へ連れ込まれた。さらに奥の間へ案内されると、広い座敷のなかにはただひとつの
榻を据えて、ひとりの偉丈夫が帽もかぶらず、靴も穿かずに、長い髪を垂れて休息してい....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
中らしい。 ところでその金屏風の絵が、極彩色の狩野の何某在銘で、玄宗皇帝が同じ
榻子に、楊貴妃ともたれ合って、笛を吹いている処だから余程可笑しい。 それは次の....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
云って、直ぐにこの戸棚を、卓子擬いの机に使って、旅硯も据えてある。椅子がわりに脚
榻を置いて。…… 周囲が広いから、水差茶道具の類も乗せて置く。 そこで、この....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、斜違に薄暗い便所が見えます。 そのね、手水鉢の前に、大な影法師見るように、脚
榻に腰を掛けて、綿の厚い寝ン寝子で踞ってるのが、何だっけ、君が云った、その伝五郎....
「鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
が、この時一家の人は皆|睡っていたので、天下は至極安静であった。彼は独り自分の臥
榻の上に凭れて、黄金色の長髪の間にはなはだ高い眉がしらをやや皺めて、旧游の地ビル....
「白光」より 著者:井上紅梅
ると彼の祖母と共に毎晩ここへ出て涼んだ。その時彼は十歳にもならぬ脾弱な子供で、竹
榻の上に横たわり、祖母は
榻の側に坐していろんな面白い昔話をしてくれた。祖母は彼女....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
と娘は上のかたの壁の前に種々の供物をして、月を祭る準備をする。李は疲れたように、
榻に腰をおろしている。) 阿香 お父さん。草臥れたの。 李中行 むむ。何だかがっ....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
・義家の正嫡を承けて、すでに天下一統の形勢にある彼れ頼朝たるもの、いかんぞその臥
榻の傍において、この夷人の鼾睡を容るすことが出来ようや。いわんや秀衡はさきに平家....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
が曠原の間にどっかりと腰を掛けて居るがごとく、いわゆるこの辺の景色を称して雪山|
榻子の国とでもいうのであろうと思われる。そういう雪峰が沢山|並列して居るけれども....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
わが父の推挙によるものだと言っている。その夷人が奥羽両州に跋扈しては、いわゆる臥
榻の傍に他人の鼾睡を容るるもので、義家たるものの忍ぶ能わざるところであったに相違....