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構う
「構う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
構うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
一秒の躊躇《ちゅうちょ》もなく男のような口調で葉子はこう小さくつぶやいた。「
構うものか」そう思いながら葉子は事務長の目使いにも無頓着《むとんじゃく》に、快活....
「或る女」より 著者:有島武郎
おじおば》がどんな激しい言葉で自分をこの二人《ふたり》の妹に描いて見せているか。
構うものか。なんとでもいうがいい。自分はどうあっても二人を自分の手に取り戻《もど....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
つ》けたる竹根の鞭《むち》を執《と》りて、徐《しず》かに手綱を捌《さば》きつつ身
構うるとき、一|輛《りょう》の人力車ありて南より来たり、疾風のごとく馬車のかたわ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、肺病になろうが、またその肺病がうつって、それがために共々倒れようが、そんな事を
構うもんか。 まあ、何は措いて、嫁の内の財産を云々するなんざ、不埒の到だ。万々....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
窓外を睨む。 侍女六人、斉しくその左右に折敷き、手に手に匕首を抜連れて晃々と敵に
構う。 外道、退くな。(凝と視て、剣の刃を下に引く)虜を離した。受取れ。 侍女一....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
らぶらしているよ。 小児五 重いんだろうか。 小児一 何だ、引越かなあ。 小児二
構うもんか、何だって。 小児三 御覧よ、脊よりか高い、障子見たようなものを背負っ....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
ん。」 私はうっかりと声を掛けた。 三 「――旦那さん、その虫は
構うた事には叶いませんわ。――煩うてな……」 もの言もやや打解けて、おくれ毛を....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
なら、ようせよせ。)と言いやす、馬がヒインヒインと嘶う。」 「若いもの、その人に
構うまい。車を早く。川口の湊屋と言う旅籠屋へ行くのじゃ。」 「ええ、二台でござり....
「女客」より 著者:泉鏡花
貴下がその年、その思いをしているのに、私はあの児を拵えました。そんな、そんな児を
構うものか。」 とすねたように鋭くいったが、露を湛えた花片を、湯気やなぶると、....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
と可恐しい、長い髪の毛の真赤なのを見るようですぜ。 見る見る、お前さん、人前も
構う事か、長襦袢の肩を両肱へ巻込んで、汝が着るように、胸にも脛にも搦みつけたわ、....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
から、跣足には及ぶまいが、裾をぐいとお上げ、構わず、」 「それでも、」 「うむ、
構うもんか、いまの石段なんぞ、ちらちら引絡まって歩行悪そうだった。 極の悪いこ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
にして言って聞かせても、母親は昔|気質で、有るものを着んのじゃッて。そんなことを
構うもんか、こっちはそのせいで藁草履を穿いて歩いてる位じゃもの。」 さなり、多....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
三尺じゃあ間に合うめえ! と、可かろう、合したものの上へ〆めるんだ、濡れていても
構うめえ、どッこいしょ。」 七兵衛は※のような足つきで不行儀に突立つと屏風の前....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
「交番々々。」 「馬鹿をいえ、杖でさえ不可ねえものが、洋刀で始末におえるかい。
構うこたあない、皆で押懸けて行ってあの軍鶏を引奪くッてしまうとするだ。」 「大勢....
「活人形」より 著者:泉鏡花
は一人残りて、死人の呼吸を吹返さんとする間際には、秘密を唸り出す事もやあらんと待
構うれば、医師の見込みは過たず、ややありて死骸は少しずつの呼吸を始め、やがて幽に....