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槙
「槙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
槙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
し声がする。長い廊下の一方は硝子障子《ガラスしょうじ》で、庭の刀柏《なぎ》や高野
槙《こうやまき》につもった雪がうす青く暮れた間から、暗い大川の流れをへだてて、対....
「少年」より 著者:芥川竜之介
かの拍子にこう云った。
「とうとうお目出度《めでたく》なったそうだな、ほら、あの
槙町《まきちょう》の二弦琴《にげんきん》の師匠《ししょう》も。……」
ランプの....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
い空間へちょいと会釈《えしゃく》を返しながら、悠々と階段を降り続けた。
庭には
槙《まき》や榧《かや》の間《あいだ》に、木蘭《もくれん》が花を開いている。木蘭は....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
飯《あさごはん》のごちそうになって、太陽が茂木《もぎ》の別荘《べっそう》の大きな
槙《まき》の木の上に上ったころ、ぼくたちはおじさんに連れられて家に帰った。
い....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
へ飛び込もうとしたらしいんですが、夜と違って昼間のことですから、川には石や材木を
槙んだ船が幾艘も出ている。人足や船頭も働いている。そこへ飛び込むことも出来なかっ....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
からなあ」 小初は電球を捻って外出の支度をした。箪笥から着物を出して、荒削りの
槙柱に縄で括りつけたロココ式の半姿見へ小初は向った。今は失くした日本橋の旧居で使....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
の首を擡げて、屋台骨は地の上に獣のごとく這ったのさえある。 吉野、高橋、清川、
槙葉。寝物語や、美濃、近江。ここにあわれを留めたのは屋号にされた遊女達。……ちょ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
面が真っ白にみえた。雪はゆうべのうちによほど降り積もったらしく、軒さきに出ている
槙の梢もたわむほどに重い綿をかぶっていて、正面にみえる坂路の方からは煙りのような....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
いた科学小説の第二作であって、昭和二年「無線電話」という雑誌に自ら主唱し、友人｜
槙尾赤霧と早苗千秋とに協力を求めて、三人して「科学大衆文芸」というものを興したが....
「春」より 著者:岡本かの子
の方に在るらしい。四方一帯、春昼の埃臭さのなかに、季節に後れた沈丁花がどんよりと
槙の樹の根に咲き匂っている。 古ぼけた玄関。老い呆けた下足爺。履き更えさせられ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
にゃまだ米の値を知らせねえんだが、どうだ。」 「あれ、あんなことをいうよ、のうお
槙。」と母親は傍なる女房に言葉を渡したらしい。 「ほほほほほ。」と、気の無さそう....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
小石川｜白山のあたりに家がある。小山｜弥作氏、直
槙は、筆者と同郷の出で、知人は渠を獅子屋さんと渾名した。誉過ぎたのでもありません....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
私も一工夫したいようにも思ったが、年の割に頭も禿げているし、露出に――学校教授、
槙村と名刺で済ました。 霜月、もみじの好季節に、年一回の催能、当流第一人のお役....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
にみしりみしりと撓んだ。その音を聴ごとに、私は不安に堪なかった。 庭の松と高野
槙との間に蜘蛛が大きな網を張っている。二本ながら高い樹で丁度二階の鼻の先に突き出....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
もなかりけりただ吾がための秋の夕ぐれ 実朝 さびしさはその色としもなかりけり
槙立つ山の秋の夕ぐれ 寂蓮 風やあらぬ月もやあらぬもの思ふわが身一つの秋の....