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槹
「槹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
槹の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
ん坊が来たから行かなくっちゃならない。そら其所《そこ》にいるじゃありませんか。桔
槹《はねつるべ》の中に。妾ちょっと行って見て来るから放して下さい」 流産してか....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
山が三方から近く寄って来た。唯有る人家に立寄って、井戸の水をもらって飲む。桔
槹の釣瓶はバケツで、井戸側は径三尺もある桂の丸木の中をくりぬいたのである。一丈余....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
かかりぬ。野川の橋を渡りて、一路の沙はほのぐらき松の林に入りつ。林をうがちて、桔
槹の黒く夕空にそびゆるを望める時、思いがけなき爪音聞こゆ。「ああ琴をひいている…....
「禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
くだった心持で考えていたのである。 南向きの広場中には、日がカアッとさして、桔
槹《はねつるべ》の影は彼方の納屋の荒壁を斜に区切って消えている。 二十日ほど前....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
く気の毒がって、そんなまだるっこいことをするよりも、いっそこうしたがよかろうと、
槹の仕方を伝授したものだ。すると、丈人はむっとした顔をして、ひどく機嫌を損じたら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
早くも、道庵の背中の上の切石をはね飛ばして、それを介抱をしようとすると、道庵が桔
槹《はねつるべ》のように飛び上りました。 「占《し》めた! もう占めたもんだ」 ....