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樋の口
「樋の口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
樋の口の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
て結末まで読んだときには、夜はいよいよ更《ふ》けて、雨はいつの間にか止んでいた。
樋の口から石に落ちる点滴が、長い間《ま》を置いて、磬《けい》を打つような響をさせ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
したから可笑い。目白鳥は澄まして、ペロリと退治た。吃驚仰天した顔をしたが、ぽんと
樋の口を突出されたように飛んだもの。 瓢箪に宿る山雀、と言う謡がある。雀は樋の....
「魔都」より 著者:久生十蘭
われる。……伏樋の古地図さえあればすぐ判るのだが、それにしても一体今ごろどこに伏
樋の口などが明いているのだろう……」
と首を捻っていたが、また何を考えついたか....
「隠亡堀」より 著者:国枝史郎
亡堀であった。 一所に土橋がかかっていた。その下に枯蘆が茂っていた。また一所に
樋の口があった。枯れた苔が食っ付いていた。 前方はドロンとした堀であった。さあ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
を移すと、博物館の此方、時事新報の大看板のある樹立の下に、吹上げの井戸があって、
樋の口から溢れる水があたかも水晶を手繰るよう。 お夏は翳していた日傘の柄を横に....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
何時までも若いね」 喜「モウ年を老っちまって仕様がねえだ、若え時分に一緒に松戸の
樋の口へ通う時分にゃア一晩でも女郎買をしねえと気が済まねえで、一度などは雨が降っ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
箱があり、その横から一方へ斜に樋のようなものが地面へ向けて突き出してあった。その
樋の口から、きょろりと狐の眼が光った。その樋の下には階段があった。狐はその階段の....