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標示
「標示〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
標示の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ば庚申塚《こうしんづか》か石地蔵でもあるはずの所に、真黒になった一丈もありそうな
標示杭《ひょうじぐい》が斜めになって立っていた。そこまで来ると干魚《ひざかな》を....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
と、一年中絶えず雪を仰ぎ視る事が出来る。就中《なかんずく》夏の雪は、高山の資格を
標示する徽章である。
雪と山とは、このように密接な関係があり、山上の雪は後に説....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
た。あのおかめの愛嬌が『商売』を象徴《あらわ》し、ヒョットコの仏頂面が『生活』を
標示している。これを両方から押えるから、ピーピーと世間が成り立って行くのだ」 ....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
てえに折角かたまって戦ってもあとのしめくくりができねえのでな。」 翌日、国道の
標示杭の立っているところまで一緒にあるいて来、そこで源吉は山本とわかれた。山本は....
「妖術」より 著者:泉鏡花
子越しに、扱帯を解いた乱姿で、こちらを差覗いているかと疑う。 やがて、心着くと
標示は萌黄で、この電車は浅草行。 一帆がその住居へ志すには、上野へ乗って、須田....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
れが昼間、足の踏み入れようもないほど、喧騒を極めたあの柳島の通りであろうか。交通
標示器をちょっと見誤ればたちまち自動車の車輪をわが血でもって染めなければならない....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
あれば、それは実はやはり書いた人にもよくわかっていない、条理混雑した欠陥の所在を
標示するのが通例である。これと反対に、読んでおのずから胸の透くような箇所があれば....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
機的世界の諸断面の具象性を決定するに必要な座標としての時の指定と同時にまた空間の
標示として役立つものがこのいわゆる季題であると思われる。もちろん短歌の中には無季....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
ののあることがわかった。あるいは、わかったような気がした。彼は甲虫の落ちた地点を
標示する例の杭を、もとの位置から三インチばかり西の方へ移した。それから、前のよう....
「火星兵団」より 著者:海野十三
入口をくぐって、博士のそばへ近よった。
室内は暗かった。暗室なのだ。
ただ、
標示灯のあかりが、ぼんやりと機械の一部を照らしていた。それはのぞき眼鏡のようなも....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ざいますから。」 すぐ角を曲るように、樹の枝も指せば、おぼろげな番組の末に箭の
標示がしてあった。古典な能の狂言も、社会に、尖端の簇を飛ばすらしい。けれども、五....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ころ、瘴癘《しょうれい》の気あって人を傷《いた》ましめるが故に来る勿《なか》れの
標示を見て、我ながら「遠くも来つるものかな」と傷心の感懐を洩らすのは、無理とは言....
「家庭愛増進術」より 著者:岡本かの子
ま円満な家庭との評を得たのはその無意識な結果に過ぎないのです。決して他人にこれを
標示するというような潜越な考えはありませんがたってとの御質問に辞しがたくてざっとお返辞しましたまでです。....
「シェイクスピアの郷里」より 著者:野上豊一郎
榲※《クインス》、ホーソーン、えにしだ、等々。かなりたくさんな種類で、一々名前が
標示してあるから、私のような植物の知識の貧寒な者にも興味は湧くが、それを見て私は....
「独房」より 著者:小林多喜二
に出ている木の先を押すと、カタンと音がして、外の廊下に独房の番号を書いた扇形の「
標示器」が突き出るようになっている。看守がそれを見て、扉の小さいのぞきから「何ん....