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権勢
「権勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
権勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
でこそ氏《うじ》の長者などと誇っているが、やがてはこの頼長に蹴落とされて、天下の
権勢を奪わるるのは知れてある。彼の建立《こんりゅう》した法性寺は、彼自身が最後の....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
たされたテーベ(Thebe)の旧都を移転してしまった。しかしそれがために当然彼は
権勢に目のない僧侶たちから睨まれた。そして盲目な民衆もまた疑いもなく彼らの宗教上....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
い文献に現われた茶の記録――物と心の争いについての道教徒の話――現今における富貴
権勢を得ようとする争い 第二章 茶の諸流 茶の進化の三時期――唐、宋、明の時代....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
の成金に買われたな。これ、昔も同じ事があった。白雪、白雪という、この里の処女だ。
権勢と迫害で、可厭がるものを無理に捉えて、裸体を牛に縛めて、夜叉ヶ池へ追上せた。....
「死者の書」より 著者:折口信夫
ばならぬ、と寺方も、言い分はひっこめなかった。 理分に非分にも、これまで、南家の
権勢でつき通してきた家長老等にも、寺方の扱いと言うものの、世間どおりにはいかぬ事....
「水の女」より 著者:折口信夫
は、平安前には「中臣女」の為事となった期間があったらしい。宮廷に占め得た藤原氏の
権勢も、その氏女なる藤原女の天の羽衣に触れる機会が多くなったからである。 わが岡....
「端午節」より 著者:井上紅梅
処にあらず」。その上彼は手に経済の権を握る人物が大嫌いだ。この種の人物はいったん
権勢を失って、大乗起信論を捧げ、仏教の原理を講ずる時にはもちろんはなはだ「藹然親....
「郷愁」より 著者:織田作之助
続けていると、もう新吉には睡眠以外の何の欲望もなかった。情欲も食欲も。富も名声も
権勢もあったものではない。一分間でも早く書き上げて、近所の郵便局から送ってしまう....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
に深い反省を迫っている様に感じられる書き方が、他の部分にも示されている。源氏が、
権勢の上の敵人とも言うべき致仕太政大臣の娘を自分の子として、宮廷に進めようとする....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ばそのたくみなことは韃靼人さながらだった。競走や闘鶏にはいつでも第一位を占めた。
権勢というものは田舎ではつねに肉体的な力があるものが獲得するものだが、彼もその権....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
な秘庫を民間奇特者に解放した一事だけでも鴎外のような学術的芸術的理解の深い官界の
権勢者を失ったのは芸苑の恨事であった。 鴎外は早くから筆蹟が見事だった。晩年に....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
沼南の五十年の政治家生活が終に台閣の椅子を酬いられなかったのは沼南の志が世俗の
権勢でなかったからばかりではない。アレだけの長い閲歴と、相当の識見を擁しながら次....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
らにほんの僅かな世襲財産を残しただけで死んでいった。そして伯父さんは、あれほどの
権勢家であるにも拘らず、ベエコン兄弟の孤独の訴えにも、近親の申立てにも耳をかさな....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
。 これを史上に考うるに、近古新教の乱ひとたび起こり、ルターの徒、ローマ法王の
権勢に抗して宗教の独立を唱えてより以来、その自由の思想は政治上に及ぼし、各国に革....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
。そのほか、祖先や両親、親族等から与えられる生活上のいろいろの便宜、例えば資産、
権勢、閨閥等もまた、浮世のいわゆる運命をある程度まで支配することがあります。 ....