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権高
「権高〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
権高の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
態《なり》に似合わず悠然《ゆうぜん》と落着済《おちつきす》まして、聊《いささ》か
権高《けんだか》に見える処《ところ》は、土地の士族の子孫らしい。で、その尻上がり....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
このわたしばかりはごまかせないよ。音いろを聞きたかったら、この目の前でおやり!」
権高に店員をしかっているあんばい、むろんこの家の娘にちがいないが、どうやら店のこ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ござるわ! さっさとおどきめされッ」 しかるに、藩士はあくまで奇怪――ふたたび
権高にこづき返しましたので、短気一徹、こうなるとすこぶる勇みはだの伝法伝六が、こ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
れたかのように、うち捨てて置いたまま、ひとりで夢見たり、遊んだりした。母無くして
権高な父の手だけで育ったためか、そのとき中性型で高貴性のある寂しさがにじんだ。鼈....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
くのこしらえ事をして、ほどよく政府へ申し立て、しかのみならず右の奉行が英国に対し
権高であったために、戦争が起こったのだと述べている。この戦争に、シナで人命を失う....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ある。仙さんと安さん。
仙さんは多少富裕な家の息子の果であろう。乞食になっても
権高で、中々吾儘である。五分苅頭の面桶顔、柴栗を押つけた様な鼻と鼻にかゝる声が、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
) と按摩の方から、この杯の指図をする。その工合が、謹んで聞け、といった、頗る
権高なものさ。どかりとそこへ構え込んだ。その容子が膝も腹もずんぐりして、胴中ほど....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
内の小児の記憶に、もう可なりの年輩だったが、色の白い、指の細く美しい人で、ひどく
権高な、その癖|婦のように、口を利くのが優しかった。……細君は、赭ら顔、横ぶとり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 「はい」 「わたしは、お前に頼みたいことがある」 お銀様の言葉は、いよいよ
権高くなってしまいました。 「お嬢様、今更、そんなに改まって」 「お前に頼みたい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
古屋第一等の美人の極めは疾《と》うの昔、五年前に済んでいますからね」
醒ヶ井の
権高い言いがかりと、五年前という言葉が、せっかくの一座の意気込みを、くじいてしま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
つけ出して、遮二無二《しゃにむに》、自分の伽《とぎ》にしてしまわねば置かぬという
権高と、性急とが、全く兵馬をして挨拶に困らせました。 だが、その身元|素姓《す....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
女、越後生まれの大|莫連、侍衆か金持ちか、立派な客でなかったら、座敷へ出ぬという
権高者、なるほどお前も歌にかけたら、街道筋では名高いが、身分は劣った馬方風情、ど....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
大蔵省辺に、いい処を勤めた、退職のお役人で、お嬢さん育ちだから、品がよくちょっと
権高なくらい。もっとも、十八九はたちごろから、時々見た顔ですから、男弟子に向って....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
うなものか全然意識しないではなかったが、いま他人の感じに写った印象が、どのくらい
権高なものかを知ると、幸福のような痛快のような気がして少し興奮して言った。 ―....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
門司鉄道局の船舶課の、かなりの上役らしい人が据わる。この仁は鼻も高いが、いくらか
権高のすっかり官僚風にできている。これらの三つの座席は必ず極っている。船客の座席....