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「横たわる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

横たわるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
早く、あとをも見ずしていっさんに走り出ずれば、心急《こころせ》くまま手水口の縁に横たわる躯《むくろ》のひややかなる脚《あし》に跌《つまず》きて、ずでんどうと庭前....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
行った。その時にいわゆる三年坂でつまずいたのがもとで、彼は三月の末から病いの床に横たわる身の上になった。夏が過ぎ、秋が来ても、彼はやはり枕と薬とに親しんでいるの....
放送された遺言」より 著者:海野十三
ます。 私は長いあいだ物質構造学研究の結果、水素原子とヘリウム原子とのあいだに横たわる不思議な事実について一つの説をたてました。ご存じのとおり水素原子は現存の....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の御子なるシャマシュ(太陽)の輝きのごとく麗わしく、 汝が御前には神々も塵の中に横たわる。 おお汝よ、おお運命の支配者よ。 このシン(Sin)というのは月の神....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
の中になおさまよいながらも、やわらかい霊光の無我の境地に浸って、渺茫たるかなたに横たわる自由をあこがれる新たに目ざめた心境をおこそうと思った。 こういう心持ち....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
カチーフであった。これは倉庫第九号の入口のところで拾ったもので、五万年前の人骨が横たわる下にあったものだ。 「うん、よしよし。なるほどなあ」 博士はひとりごと....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
ろ叱られたろう」というような笑い方をしている。仰ぎ見ると十数町の大傾斜が空の下に横たわる。それを上の方から豆つぶのような人が三つばかりS字を画きながら下りてくる....
火星兵団」より 著者:海野十三
が集中する時が来るのではないかと。なぜなれば、あなたはきっと、オリオン星座附近に横たわる、千古の秘密について興味をもち、そうしてついに一つの恐しい答えを得るかも....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
来るかも知れぬ」 つぶやくようにいうと、東京電報をスミス中尉にかえし、ベッドに横たわる杉田二等水兵の方をぐっとにらみつけた。 その時川上機関大尉は、すっかり....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
見えた。真赤な長襦袢と、死化粧うるわしい顔とが互に照り映えて、それは寝棺のなかに横たわるとはいえ、まるで人形の花嫁のようであった。ミチミは寝棺のなかに入って、こ....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
いました。 重い手かごを門の外に置いて、子どもを抱き上げて、自分と海岸との間に横たわる広野をさしておかあさんは歩きだしました。その野は花の海で、花粉のためにさ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
彼の青く押し付けたような顔には、輝かしい微笑を含んでいる。そうして、死のあなたに横たわる暗い世界へ彼を招いた不思議の訪問者をとらえるかのように、彼はなお両手を突....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
三里という呼声も、どうやら余計に踏んで来たように覚えた頃、一行は断崖下に大河の横たわるのに行詰った。 「三面川の上流に御座りまする。もう向岸が三面で御座ります....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
を成就するためには手段を選んではいられなくなったんだ。俺たちはこの棺の中に死んで横たわるドモ又の霊にかけて誓いを立てよう。俺たちはこの友人の死に値いするだけのり....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
その頭髪は長幼をわかたず、みな黄白色なり。青草緑苔、石上に敷き、また灌木の渓畔に横たわるあり、野花の岸頭に笑うありて、実に仙境の趣をなす。石径を攀ずること三十分....