横を向く[語句情報] » 横を向く

「横を向く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

横を向くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ルを握って、男に迫った。 「こりゃ。良きじゃね」 土門が豹一に囁くために、ふと横を向くと、いつのまにか豹一の姿が見えなくなっていた。 五 小屋を出るとすっか....
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
に振るのなら、まだ危険《あぶなく》もないが、三十人が一度に足踏《あしぶ》みをして横を向く時がある。ぐるりと廻る事がある。膝を曲げる事がある。隣りのものが一秒でも....
草枕」より 著者:夏目漱石
れぬ。それにしては紙の色が非常に新しい。どうしても昨今のものとしか受け取れない。横を向く。床《とこ》にかかっている若冲《じゃくちゅう》の鶴の図が目につく。これは....
婦系図」より 著者:泉鏡花
豆煎、一盆五厘だよ。)ッて、飛んでもない、わッと囃して遁げましたぜ。」 ツンと横を向く、脊が屹と高くなった。引かなぐって、その手巾をはたと地に擲つや否や、裳を....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
…… お須磨 (まりをとろうとする)あたしだわ。あたしだわ。 お利根 (くるりと横を向く)一ぱいあがれや長六さん。二はいあがれや長六さん。三杯目にゃ…… お須磨....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、また摺《す》り寄ってお銀様の面《かお》を覗き込むようにしました。お銀様がついと横を向くと、乗り出してわざとまた覗き込んで、 「はははは」 一度に笑いました。....
元禄十三年」より 著者:林不忘
平常の心掛けだけでやりとおす考えです。」 どさり、と、重く、畳に両手をついて、横を向くようなおじぎをした。 二 上野介《こうずけのすけ》は、無意....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
やって来ると思う、やって来ましたら、どうぞお手柔らかに」 「知らない」 お絹が横を向くと、福村は改めて、 「御機嫌を直して下さい、もう一人は、決してあなたの嫌....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
む。) 撫子 (身を辷らして、欣弥のうしろにちぢみ、斉しく手を支く。) 白糸 (横を向く。) 欣弥 暑いにつけ、寒いにつけ、雨にも、風にも、一刻もお忘れ申した事....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
無駄な祝儀は出せませんな。ああ、南無阿弥陀仏。」 「狸めが。」 と背を円くして横を向く。 「それ、年増が来る。秘すべし、秘すべし。」 で、手袋をたくし込む。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
爺《とっ》ちゃん小僧というんだろう」 「ばかにしてやがらあ……」 といって米友が横を向くと、 「だけれど、強いなあ、お前さんは強い人だなあ――なりは小さいけれど....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
「あの御骨だって、水に縁があるんですもの。」 「婦女子の言です。」 と医師は横を向く。小松原は、片手を敷布の上、隣室へ摺寄る身構えで、 「水に縁と……仰有る....
丹下左膳」より 著者:林不忘
「おっしゃりたいだけのことを、おっしゃってください。うかがいましょう」 と、横を向く。 若い蒼白な美男、源三郎――剣の腕前とともに、女にかけても名うての暴....
三枚続」より 著者:泉鏡花
まさあね、」と正直なだけに怒りッぽい、これでもまだ若いんだから、愛吉は拗ね気味で横を向く。 「ほい、気に障ったら堪忍しねえ、言ったって治らねえ位のこたあ知ってる....
教師と子供」より 著者:小川未明
窓の外をじっとながめて空想にふけりました。これを見つけた教師は、 「なんで、そう横を向くんだ。」としかって、子供をにらみました。子供は、また、毎日教師からしかられたのであります。....