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横丁
「横丁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
横丁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
二十四五脚の椅子《いす》が食卓に背を向けてずらっとならべてある食堂の中ほどから、
横丁《よこちょう》のような暗い廊下をちょっとはいると、右の戸に「医務室」と書いた....
「或る女」より 著者:有島武郎
て、葉子は外濠《そとぼり》に沿うた道を日本銀行からしばらく行く釘店《くぎだな》の
横丁《よこちょう》に曲がらせた。自分の住んでいた家を他所《よそ》ながら見て通りた....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
また街路の上には、音頭を歌って手ふり足ふり、踊りあるく一団があるかと思うと、また
横丁から大きな竜の作りものを多勢で担ぎ出してきて、道路を嘗めるように踊ってゆくの....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
ペイブメントのうえへ飛び出した。三人が列をそろえて一列横隊で歩き出したところへ、
横丁から不意にとび出して来た若い婦人がドンと留吉にぶつかりそうになった。 「ごめ....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
私も進退谷まって、いつの間にか往来に立ち停ったのでした。 其の時でした。不意に
横丁から笛と太鼓と鉦との騒々しい破れかえるような音響が私の耳を敲きました。と早や....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
噴きだし、コンクリートの厚い壁体は燃えあがるかのように白熱し、隣りの通にも向いの
横丁にも、暑さに脳髄を変にさせた犠牲者が発生したという騒ぎだった。夜に入ると流石....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
れた。市民の鮮血に濡れた、アスファルト路面に、燃えあがる焔が、ギラギラと映った。
横丁から、バタバタと駈け出した一隊があった。彼等は、いずれも、防毒マスクを、頭の....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
吾と同志帆立とは、酔漢の頭を飛び越えると足早に猿江の交叉点の方へ逃げた。 細い
横丁を二三度あちこちへ折れて、飛びこんだのはアパートメントとは名ばかりの安宿の、....
「地獄街道」より 著者:海野十三
心持顔色を蒼くして説明をした。それによると、彼がいまよじのぼった塀の外は「ユダヤ
横丁」という俗称をもって或る方面には聞えている場所だった。それは通りぬけのできる....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
をやりすごした。 私はすぐに円タクを雇うと、両国へ走らせた。国技館前で降りて、
横丁を入ってゆくと、幸楽館という円宿ホテルがあった。私はそこの扉を押した。 三....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
もない。かかりあいになるのを恐れてのことだ。 金谷先生しゃべる 海岸通り
横丁の老骨董商殺しのニュースは、その翌朝には、新聞記事になっていた。 春木少年....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
、手を貸してくれッ」 どこでも手を貸せであった。見ると火の手らしい黄色い煙が、
横丁の方から、静かに流れてきた。 「オイ火事はこっちだッ」 「いや、向うだよ」 ....
「暗号数字」より 著者:海野十三
をぐるぐるまわりながら、酒ののめるところを物色した。 あとで聞くと、それは軍艦
横丁という路次だったそうであるが、そこに東京には珍らしい陽気なおでん屋が軒をなら....
「京の夏景色」より 著者:上村松園
場でしたが、今の子供達はもう、うっかり外では遊べなくなりました。大通りから入った
横丁でも自転車やら自動車やら何やと往来が劇しゅうなるばかりなので、それだけは昔の....
「寺町」より 著者:岩本素白
手の高台の背を走る、狭い町筋の左右に、寺の多いことを語って居る。その町にある狭い
横丁、それは急な下り坂になって、小家がちの谷の向うが、又上り坂で、その先は若葉で....